座談会「サステナブルなつながりが地域型住宅、さらには林業を変えていく」
大型パネルが構築するサプライチェーン
ウッドステーションの大型パネルは、住宅産業だけでなく、国内林業のあり方さえも変える可能性を秘めている。
大分県の佐伯広域森林組合では、大型パネルを用いて地域循環型のサプライチェーンをつなげようとしている。実需に基づきながら必要な分だけ森から木を伐採し、必要な分だけ製材しパネルをつくり、市場に供給する。そこで得た利益を山へと戻し、再造林を行うことでサステナブルな木材のサプライチェーンをつなげていく。こうした理想的な好循環を生み出そうとしている。
ファーストペンギン・ユニオンLLC代表の加藤芳男氏をファシリテーターに迎え、関係者の方々に大型パネルを用いた“佐伯モデル”の可能性や将来像などについて語ってもらった。
佐伯広域森林組合 代表理事 組合長 戸髙壽生 氏
佐伯広域森林組合 流通部 部長 今山哲也 氏
大分県 南部振興局 農山漁村振興部 林業・木材・椎茸班 技師 安部暖美 氏
テクノエフアンドシー 開発室 担当部長 兼 開発統括課 課長 谷口純 氏
ウッドステーション 代表取締役社長 塩地博文 氏
【ファシリテーター】ファーストペンギン・ユニオンLLC 代表 加藤芳男 氏
加藤 本日のテーマのひとつが国産材の活用ですが、近年、国策として国産材の活用を促進する施策を打ち出しており、最近では地方創生の一環として地域の林業を活性化するための取り組みも進められています。
しかし、それぞれの取り組みや施策が、環境配慮や二酸化炭素削減という個別の観点からは、最適化されてはいるものの、全体としては、バラバラで一貫していないという印象を受けます。
例えば、最近ではバイオマス発電が注目され、各地で補助金を使ってバイオマス発電所が建設されていますが、「とにかく非化石燃料なら何でもいい」という雰囲気もあり、建築資材として利用できるA 材、B 材までも燃やしてしまうというケースも見受けられるようです。こうした状況は、「バイオマスによって発電量を増やす」という目的だけを優先させるあまり、本来の意味での持続可能性が無視され、国産材の有効活用にも繋がっていないということになります。
こうした状況をみていると、しっかりと国産材活用のサプライチェーンを構築していくことが、何よりも求められているのではないかと感じます。
佐伯広域森林組合さんでは、伐採から製材、そして植林までをひとつのつながりのなかで捉え、サステナブル(持続可能)な循環型森林経営を行っています。それはどのような考えからでしょうか。
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