ビルダーの工業化を下支えする大型パネルの新会社が誕生
業界最適を演出 住宅産業の持続的成長へ
木造軸組工法の受託加工事業を展開する新会社「ウッドステーション」が立ち上がった。工場で建築部材を組立てる「木造大型パネル」による在来木造の工業化技術と、最新の情報技術の融合を図り、在来木造の生産性をより高いレベルにまで高めていきたい考え。また、そのノウハウを受託加工という形でビルダーに提供することで、ビルダーの工業化を下支えする新たなビジネスモデルの構築に挑む。人口減少時代に突入し市場環境が激変するなかで、住宅業界も抜本的なビジネスモデルの転換が求められている。ウッドステーションが新たに打ち出すビジネスモデルは、住宅業界にどのような変革をもたらそうとしているのか。
ハウジング・トリビューン(HT)では、11号、12号の2号連続で「ウッドステーション誕生」と題した特別版を発行する。
HT11号では、ウッドステーション誕生の背景や、新会社の事業概要などを解説するとともに、ウッドステーションの塩地博文社長と、新会社に出資する協力企業3社のロングインタビューを掲載する。
HT12号では、ウッドステーションの誕生により、在来木造市場の建設現場やサプライチェーンをどのように変革していく可能性があるのか、既に大型パネル事業で連携が始まる大分県の佐伯広域森林組合などの取り組みなどを例に、住宅産業の近未来を予測する。
職人不足問題に直面する住宅業界
在来工法市場の根本が危うく
住宅・建設業で現場の直接施工を担う技能労働者の人材不足問題が深刻度を増してきている。総務省の「労働力調査」によると、2015 年度の技能労働者数は約330 万人。このうち55 歳以上が約112 万人と約3分の1を占める一方で、29 歳以下の若者は約36 万人と約1割にとどまっており、技能労働者の高齢化が進行していることが浮き彫りとなっている。
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