“未来”をカタチにする

  


「何か新しいものを加え、楽しみながら窓やドアを開け閉めできないか」

―それが「未来窓プロジェクト」の始まりであったという。

YKK APが同プロジェクトの第3弾となる未来ドア「UPDATE GATE」を発表した。家族の毎日の生活を記録し、一人ひとりにあわせた情報を映し出す。顔認証により自動開閉する。ドアの室外側を自在に演出でき、動画を映し出すこともできる。ドアにAIやIoT技術を盛り込み、さまざまな機能を持たせたものである。

わが国では1980年代に、三井ホームと東芝が「HOPES-204」を、大阪ガスが「アイデアル住宅NEXT」を、三洋電機が「SHAINS」を、シャープが「ニューでんかハウス」を、松下電器が「HALSハウス」を、松下電工が「IHS」を、と相次いで実験住宅を建設、1989年に「TRON電脳住宅」がつくられた。こうした“未来住宅”の流れは、花火のように華やかではあったものの、実際の住宅で普及することはなかった。

そして今、スマートハウスの時代である。

スタートアップ企業などが次々と新たな提案を打ち出しているが、以前と少し違うと思われるのは「この技術で何ができるのか」ではなく「こうしたいからこの技術を使う」という視点がうかがえることだろう。

「UPDATE GATE」は、「社会問題と向き合いながら、毎日をより便利にし、家族のコミュニケーションがより楽しくなるようサポート」と謳っている。ここでいう社会問題とは、住まいのセキュリティや高齢者の見守り、宅配業者とのやりとりなどのことである。こうした課題に「ドア」という一つの部品がどのように応えていくのか、その提案が興味深い。個人的には「楽しみながら」という言葉に惹かれる。IoTやAIというとどうしても「便利さ」が先に立つが、毎日通るドアだからこそ、ちょっとした遊び心もあってもいい。

「UPDATE GATE」はコンセプトモデルではあるが、2020年の発売を視野に入れている。ショールームで展示し、見学者の意見を吸い上げて実商品に結び付けていく考えだ。

夢描いた“未来”を現実にできる今、実際に住まいで使える商品としての提案に期待がかかる。

「UPDATE GATE」は、ドアが家族の執事となり、家族一人ひとりに向けた情報を提供する。

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