(一社)日本CLT協会 CLTマンションをテーマに設計コンテストを開催
木造集合住宅の可能性を広げるアイデア続々
(一社)日本CLT協会は、CLTを使った6階建てマンションをテーマに実施した「CLTアイディアコンテスト2017 設計部門」の表彰式を開催した。優秀賞3点(農林水産大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞)には、大手設計事務などの作品が選出された。CLTを構造材として用いた高層建築の将来像を示すものとして大きな期待が持てそうだ。
( 一社) 日本C L T 協会は、2015年から、CLTアイディアコンテストを開催している。実現のハードルの高さなどは問わず、既成概念を取り払い、CLTの可能性を広げる提案を募集、表彰してきた。3年目となる2017年には、新たに、実際に設計に携わる人を対象とした「設計部門」を設け、CLTを使った6階建てマンションというテーマで募集した。
マンションをテーマとしたのは、「壁の多い構造でありCLTに向いていると考えられること」、「これまで木造のマーケットとして捉えられてこなかった新たな分野であること」から。RC造などからのただの置き換えでなく、新たな価値を生み出すような提案を募集した。その結果、大手設計事務所やゼネコンから、学生まで幅広い層から合計で46作品の応募があり、審査員の厳正な審査の上で、優秀賞3点(農林水産大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞)と、特別賞(CLT協会賞)4点を選出した。
CLTを活用して、新たな技術・価値を生み出そうというアイディアが盛り込まれた作品が3つの大臣賞に選ばれた。実現するためには、技術や法規制のハードルをクリアしていく必要があるが、CLT高層建築の普及に向け、将来像を示すアイディアとして注目を集めそうだ。
2月26日、東京で開催された表彰式では、CLT特別アドバイザーを務める東京大学名誉教授の隈研吾氏がビデオメッセージで「環境やライフスタイルに対する気配りが感じられる提案が多かった。こうした日本人独特の繊細な感性を活かして勝負すればCLT建築の分野でも世界のリーダーになれるのではないか」と期待を寄せた。
同コンテストの審査委員長を務めた芝浦工業大学名誉教授の三井所清典氏は「農林水産大臣賞、国土交通大臣賞、環境大臣賞の3つの大臣賞が授与されるコンテストはなかなかない。大臣賞にふさわしい作品が集まるかと心配したが、フタを開けてみると大変素晴しい、優秀な作品がたくさんあり、急遽、協会賞も用意してもらうことになった。アイディアコンテストということで、これから課題を解決していくことも含めて、斬新なアイディアを募集したが、実現できそうなアイディアが出てきて喜んでいる」と講評した。
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