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PVメーカー 自家消費シフトを加速 ポストFITへの取り組みを本格化

創蓄連携提案が標準に

太陽光発電メーカーによる太陽光発電システム(PV)と蓄電システムを連携させた「創蓄連携システム」の提案が活況を帯び、住宅への太陽光発電の導入は売電から“自家消費”に本格的にシフトしてきていることが、2月28日から3月3日まで開催された日本最大の太陽光発電関連の見本市「PV EXPO 2018」の出展企業の動向からわかった。

太陽光発電関連の見本市「PV EXPO 2018」では、“売電から自家消費へ”とPVメーカーの提案がシフトしている様が濃厚となった。画像はインリー・グリーンエナジーが出品した「オフグリッドハウス」の提案イメージ

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2019年問題を目前に自家消費時代へ突入

2012年から開始されたFITの全量買い取り制度により、日本でも家庭用太陽光発電の普及が一気に拡大した。だが、近年、買取価格は減少傾向にあり、売電目的でPVを設置することにメリットを感じられない人が増えてきている。

こうした市場環境の変化を受け、PVメーカーがポストFITの取り組みとして強化しているのが、創蓄連携システムの提案だ。日中に太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯めて夜間に使うなどすることで、経済的なメリットを創出する。

官民を挙げて普及促進を進めているZEHを実現しやすくなることや、2019年に10年の余剰電力の買取期間が終了する人が大勢出てくる「太陽光発電の2019年問題」への対応などでニーズが高まっている。

PVメーカーによる創蓄連携システムの提案は昨年あたりから徐々に活発化してきていた。だが、今回開催された国内最大級のPV見本市「PV EXPO 2018」では、創蓄連携提案一色となり、いよいよPVメーカーの住宅向け太陽光発電の提案は本格的に“自家消費時代”に突入したと言えそうだ。

既存住宅へ後付け容易に自動で充放電も

例えば、パナソニック エコソリューションズ社は3月7日に新たに発売した創蓄連携システム「パワーステーションS」を出品した。これまでは太陽光発電と蓄電池を一体的に導入しないと創蓄連携システムを構築できず、既にPVが設置されている家庭で創蓄連携システムを構築することが困難だった。だが、新商品では既にPVが設置されている家庭でも、後付けで創蓄連携システムを構築できるようにした。また、新たにHEMSともつながるようにし、家庭ごとに電気代がお得になるように自動で充放電できる機能を追加した。HEMSと連携した蓄電池については、トリナソーラーも出品しエネルギーの見える化のメリットをアピールした。

ハンファQセルズジャパンは今年4月上旬に発売する予定の住宅向けハイブリッド蓄電システム 「HQJB-Aシリーズ」を出品。自社ブランドでの住宅向けハイブリッド蓄電システムの発売は同社では初めてとなる。PVと蓄電池のパワーコンディショナをひとつにした「ハイブリッドパワーコンディショナ」を搭載することで、96.5%という業界トップクラスの変換効率を実現している。

この他、シャープも今年上期を目途に、PVで発電した電力を自家消費しやすい新機能を追加した蓄電システムを発売する予定だが、今回のPV EXPOで参考出品。DMMは自社製の蓄電池2機種に加え、オムロンとニチコンの新製品を加えた豊富なラインナップをそろえ、用途やニーズに合わせて創蓄連携システムを構築できるメリットをアピールした。

太陽光発電の電力を利用してZEHよりもさらに進んだ“自給自足の家”を提案するPVメーカーも出てきている。インリー・グリーンエナジーが出品した「オフグリッドハウス」では、住宅の屋根に加え、カーポートにも裏表両面で受光できるPVを設置することで、大きな発電量を実現。発電した電力を家庭用蓄電池よりも蓄電容量が大きなEV(電気自動車)に貯めることで、系統電力を使わずにエネルギーの自給自足を目指す。現在、実用化に向けて実証実験を行っているところだという。平常時の経済的メリットだけでなく、災害時のエネルギーインフラとしてのメリットも訴求していきたい考え。

ハンファQセルズジャパンは今年4月上旬に発売する住宅向けハイブリッド蓄電システム「HQJB-Aシリーズ」を出品。自社ブランドでの住宅向けハイブリッド蓄電システムの発売は同社では初めて
シャープも今年上期を目途に、PVで発電した電力を自家消費しやすい新機能を追加した蓄電システムを発売する予定で、参考出品した
パナソニック エコソリューションズ社は3月7日に新たに発売した創蓄連携システム「パワーステーションS」を出品。2019年問題を見据え、既存住宅への後付け提案を強化する

創蓄連携のメリットを新ツールで見える化

一方で、製品だけでなく、ツールなどで自家消費を促す提案も活発化してきている。サンテックパワージャパンは新型のハイブリッド蓄電システムを出品。販売店向け営業支援ツールの提供も今年3月下旬から開始する。同ツールを使うと、サンテックパワー製のPVと蓄電システムの導入効果をシミュレーションして診断することが可能。計算が煩雑なPVと蓄電システムの経済効果を簡単な操作で試算し結果を見える化することで、創蓄連携システムの導入メリットをアピールしやすくする。

また、Looopは創蓄連携システムに加えて、独自の分割購入ローンや余剰電力の売電、Looopの電力供給サービス、保守点検サービスなどをセットで提案する「MY自家消費セット」を提案。様々な面からPVで発電した電力の自家消費をサポートする。

ポストFITの自家消費時代に突入したことで、PVメーカーはPVパネルの販売だけでは生き残れなくなってきた。創蓄連携やその効果を見える化するツールの提供、さらにはLooopのように余剰電力の買取や家庭向け電力供給サービスといった“PV+α”の取り組みが一層求められてきそうだ。

サンテックパワージャパンは販売店向け営業支援ツールの提供を今年3月下旬から開始する。創蓄連携システムの導入効果をシミュレーションして診断する
サンテックパワージャパンは販売店向け営業支援ツールの提供を今年3月下旬から開始する。創蓄連携システムの導入効果をシミュレーションして診断する

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ハウジング・トリビューンVol.631(2021年22号)

特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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