消えた464兆円
内閣府から「平成28年度国民経済計算年次推計」が発表された。(独行)住宅金融支援機構調査部がこの推計をもとに分析した結果によると、日本の住宅の建物部分の時価総額は1993年末の約326兆円から2016年末には約368兆円へと42兆円増えているという。
しかし、この間に約464兆円もの住宅投資が行われているが、減耗・滅失などにより、442兆円もの時価総額が失われている。
約464兆円も投資したものが、42兆円しかストックとして積み上がっていないというわけだ。
対して、米国では1993年末の約6.65兆ドルから2016年末には約20.79兆ドルへと、住宅の建物部分の時価総額が3倍以上も増えている。この期間に約12.3兆ドルの住宅投資が行われ、7.35兆ドルが摩耗などによって損失しているが、価格そのものが上昇していることもあり、「日本とは全く異なる市場構造となっている」((独行)住宅金融支援機構・小林正宏調査部長)という。
度々指摘されてきた事実ではあるが、あらためて日本と米国の差に驚かされる。
約464兆円も投資し、その価値がほとんどストックされていないという構造では、「成熟社会に相応しい豊かな暮らし」が遠のくばかりである。
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