2017.11.30

ダイキン工業、家具のように馴染むエアコンを開発

独自の色味と質感で一歩先行くデザイン

ダイキン工業は従来のデザインとは一線を画す家庭用ルームエアコンを発売する。形だけでなく、カラーや質感にも徹底的にこだわることで、住宅の室内空間に馴染む家具のようなデザインを実現した。


ダイキン工業はデザイン性に特に配慮した家庭用ルームエアコン「risora(リソラ)」を2018年3月30日から発売する。

近年、日本では住宅のインテリアデザインに対する意識の高まりから、エアコンにも機能性だけでなく、インテリアに調和するデザイン性がより一層求められている。このため、ダイキン工業は2016年10月に「感性価値」に訴えかけることを目指した薄型デザインの住宅用ルームエアコン「UXシリーズ」を発売。今回、これに続くデザイン強化の取り組みとして、risoraを訴求していく。

risoraでは、デザインに特化しながら、日本市場で普及しやすいように配慮。例えば、UXシリーズは住宅事業者を通じた販売だったが、今回は家電量販店で一般消費者でも購入できるようにしている。また、UXシリーズはもともとヨーロッパ向けに開発されていたため、日本の住宅環境では横幅などのサイズが大きすぎるといった課題もあった。だが、risoraについては、日本の開発チームがWater Design 代表取締役で著名なデザイナーの坂井 直樹氏と日本の住環境に馴染むことを念頭にデザインし、サイズについても無理なく設置できるようにしている。

奥行きは業界最薄の185mm
自動車内装に使用の成型技術で深み

risoraでは、UXシリーズの薄型デザインの特徴を継承。奥行きは業界で最薄の185mmに抑えることで、圧迫感のない室内空間を実現する。

また、側面の両端を絞り込むデザインを施すことでも圧迫感を軽減。全体的に無駄をなくしたシンプルなデザインとし、運転ランプやリモコン受光部といった通常はデザイン上でノイズとなる細部にいたるまでこだわり、インテリアとの調和を図った。

製品の形のデザイン加えて、今回はこれまでよりも質感や色味にこだわった。そうすることで、”家電”というよりは、“家具”に存在を近づけ、インテリアとより馴染むようにした。

これまでは、樹脂素材を単層で商品本体を成型していたが、深みのない質感でインテリアに違和感を与えるという課題があった。このため、今回は自動車の内装などにも使われている「インモールド成型技術」を採用。これはプリント柄を何枚も重ね合わせることで成型する技術だ。インモールド成型技術を取り入れたことで、質感や色合いにおいて、深みを出すことに成功。質感については、木目や織目、ツヤ、ライン、布地などの風合いを出せるようになった。

これまでにない黒・水色・緑といったカラーも

また、色味については、ラインホワイト、グレイッシュブラウンメタリック、ファブリックホワイト、ブラックウッド、ツイルゴールド、ソライロ、フォレストグリーンという7種類のカラーバリエーションを用意することで、さまざまなインテリアに合わせられるようにしている。中でも、これまでにない特徴的な色味のひとつは、「ブラックウッド」。黒い本体にマットとツヤの質感を織り交ぜて木のリアルな質感を表現することで、落ち着いたインテリアに馴染むとともに、白い壁でも空間を引き締めるアクセントになる。

また、空をイメージした薄いブルーの「ソライロ」も従来のエアコンにはなかった色合いだ。落ち着いた優しい印象でナチュラルテイストのインテリアに効果的だ。ダイキンでは「リビングだけでなく、子ども部屋等のアクセントとしてもお勧め」としている。

深い緑色の「フォレストグリーン」も用意。部屋に置かれる観葉植物をイメージさせる色合いで、観葉植物のように気持ちを穏やかにさせる。

risoraはデザイン性だけでなく機能面でも高いレベルを実現している。ダイキンのルームエアコンの最上位機種「うるさら 7」で培った気流技術を採用。冷房時は天井に風を沿わせて人に当たりにくい気流制御を実現。暖房時はエアコン設置面の壁に向かって吹出し壁と床を沿わせることで、人が感じにくい気流制御を実現した。

「うるさら 7」に搭載している「人・床センサー」も採用。暖房時の床面温度を64分割し、それぞれの範囲の温度をセンシングすることで、床面全体を均一に暖める。また、設定温度到達後も温・湿度を制御し続けることで快適な室内空間を実現。

risoraの販売価格については、オープン価格としているが、税別の実勢価格では13万円~28万円程度を見込んでいる。