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2017.11.28

LIXIL 利益率向上を最優先に掲げた中期経営計画を発表

デザイン力の向上などで差別化商品の開発を加速

LIXILは、利益率の向上を最優先に掲げた3カ年の中期経営計画を発表した。デザイン・開発・設計部門に経営資源を集中するなどして製品の差別化を進める。瀬戸欣也社長は「利益を上げられる体制が整えば、自ずと売上はついてくる」と説明。持続的な成長に向けた取り組みを強化していく考えだ。

中期目標の達成に向け、柱となる4つの施策について説明する瀬戸社長。「小さな実験を繰り返し、スピードを持った行動につなげることなどを社員に求めていく」と述べた
中期目標の達成に向け、柱となる4つの施策について説明する瀬戸社長。「小さな実験を繰り返し、スピードを持った行動につなげることなどを社員に求めていく」と述べた

2019年3月期~2021年3月期の新中期経営計画のテーマは、「長期の持続的成長に向け、LIXILを再定義する」。同社では過去2年間で、事業構造の見直しや組織の簡素化、バランスシートの改善を図るなど、効率的で機動力のある組織へと転換を図ってきた。次のステージでは、利益率の向上を最優先に掲げ、さらなる成長に向けた体質改善に取り組む。2017年3月期に4.9%であった利益率を2021年3月期までに7.5%にまで高めたい考えだ。

同社の瀬戸欣哉社長は、「利益を挙げられる体制を整備することが最大の武器になる。利益率が向上すれば、自ずと売上はついてくる」と説明した。

中期目標の達成に向け4つの施策を推進

中期目標の達成を実現するために、「持続的な成長に向けた組織を作る」「魅力ある差別化された製品の開発」「競争力あるコストの実現」「エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング」という柱となる4つの施策を上げた。

「持続的な成長に向けた組織を作る」では、CSR(企業の社会的責任)活動などをさらに強化していく。瀬戸社長は「世界で伸びている企業は、CSR活動に積極的に取り組んでいる。投資家も重要な条件として見ている」と語り、発展途上国の衛生環境の向上をサポートする目的で展開する水洗トイレを寄付する活動や、より多様な人々が働きやすい環境創出に向けた取り組みを継続して強化していく方針を示した。

また、「従業員の行動様式こそが競争力になる」と語り、「小さな実験を繰り返し、スピードを持った行動につなげる」ことなどを徹底して社員に求めていく。

さらに、日常的に絶えず事業領域の再定義を行っていく。瀬戸社長は、「我々の事業領域は絶えず変化している。当社では、高い利益率を実現でき、新規参入者による破壊的な事業参入から防御できる分野に限定して事業を展開していく」と語った。

窓・ドアカテゴリーの商品に対して、TOSTEMブランドを復活させる考えだ。多くのエンドユーザーがカテゴリー商品を想起できるブランド名を創出することで、「指名買い」の増加を狙う。写真は、同社が販売する高性能樹脂5層窓「レガリス」
窓・ドアカテゴリーの商品に対して、TOSTEMブランドを復活させる考えだ。多くのエンドユーザーがカテゴリー商品を想起できるブランド名を創出することで、「指名買い」の増加を狙う。写真は、同社が販売する高性能樹脂5層窓「レガリス」

消費者の認知度を優先
TOSTEMブランド復活

「魅力ある差別化された製品の開発」では、IoT技術などを積極的に活用し、イノベーションを喚起する取り組みを強化する。既に成功事例も出てきている。ヨーロッパ市場で、設備機器まわりも水漏れを自動でスマホなどに知られてくれる機能を搭載したIoTデバイスを開発し、保険商品などとセットで販売したところ、ヒット商品に成長しているという。

さらに、「企業のデザイン力と企業の成長には相関関係がある」として商品全般のデザイン性の向上に向けた取り組みも強化する。

また、2018年から国内向けの商品ブランドの再構築も進めるすでにトイレ・洗面・水洗金具・タイルなどの商品カテゴリーに対してINAXブランドを復活させ、販売を強化しているが、さらに窓・ドアカテゴリーの商品に対して、TOSTEMブランドを復活させる考えだ。多くのエンドユーザーがカテゴリー商品を想起できるブランド名を創出することで、「指名買い」の増加を狙う。

加えて、国内組織の改革を推進する。従来、開発・生産部門と販売部門は別組織であったが、2018年4月から、開発・生産・販売部門を一組織に納め、市場ニーズに対応するサイクルを高速で回し、メーカーとしての競争力を強化する。

さらに、多様化する消費者ニーズに対応する目的で、デザイン・開発・設計部門に積極的に経営資源を投入するなどして、少品種を大量生産するというモデルから脱却を図り、より短いサイクルで差別化された製品を市場投入できる体制の構築を目指す。

「競争力あるコストの実現」では、間接部門のスタッフを必要最低限の人数にまで削減し、直接部門への転換を図り、肥大化する間接部門のコストを圧縮する。商品製造面では、開発期間の短縮とコスト削減を目的に、商品開発プラットフォームの統一化を図る。例えば、従来、サッシ開発プラットフォームは、木造用、RC造用、鉄骨造用と別々に存在していたが、これらの開発プラットフォームの統一化を図る。

「エンドユーザー、インフルエンサーへのマーケティング」では、住宅建築のITプラットフォーム「K-engine」を活用し、リアルタイムでの見積もりサービスを通じてビルダーの業務効率化を支援するとともに、ニーズの分析を行い売上拡大と販売コスト削減を図る。

そのほか、1日リフォームを謳う「リクシル PATTOリフォーム」を継続して展開し、エンドユーザーへのアプローチなどを強化する。

瀬戸社長は、「世界の中流層の増加とともに、建材・設備は大きな成長が見込める産業。あとは、我々が人々のニーズに応えられる商品を展開できるかどうかにかかっている。差別化できる製品とサービスを作り出せれば大きな成長が期待できる」と述べた。

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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