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2017.12.5

マグ・イゾベールの新戦略

マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランシス ショレー氏

断熱ソリューションメーカーへ進化
付加価値を高めたパッケージ提案を推進

マグ・イゾベールは2017年8月、グラスウール断熱材の新ブランド「イゾベール」シリーズの発売を発表した。イゾベールを主力商品として普及拡大を図り、国内市場の開拓を進めていきたい考え。同社のフランシス ショレー代表取締役社長は「将来的には断熱材の単品販売から、断熱材に加えて気密材などを含めた材料一式を提供するパッケージ提案を強化し、断熱材メーカーから断熱ソリューションメーカーへと進化していきたい」と話す。


マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランシス ショレー氏
マグ・イゾベール 代表取締役社長 フランシス ショレー氏

──国内の住宅市場をどのように見ていますか。ヨーロッパと比べて日本では、住宅の高性能化が遅れていると聞きます。

ヨーロッパと日本の住宅を取り巻く環境を比べると、大きく2つ相違点があると感じています。

一つは、日本に比べてヨーロッパの方が、義務化が求められる絶対的な住宅の省エネ基準が高く、その基準が引き上げられるペースも格段に早いということです。

ヨーロッパでは、EUが主体となり積極的に住宅の省エネ基準を引き上げています。EU加盟国では、少なくともその基準をクリアしなければ住宅を建てることはできません。各国の行政の指導者もEUから求められているからと説明しやすい面があります。こうした仕組みが、住まいの高性能化を促す上で、うまく機能していると言えます。

ヨーロッパに比べて日本の住宅の省エネ基準が低いことは、単に住まいの高性能化への取り組みが早かったのか、遅かったかの違いによるものだと思います。ヨーロッパでは、環境問題への意識や、住まいの省エネ性能への社会的要求が日本よりもかなり早く高まりました。日本でも10年後、20年後、現在のヨーロッパ並みの省エネ基準にまで高まっている可能性は十分にあります。

省エネ化は、個人や民間企業を超え、国全体で取り組んで行かなければならない課題です。2015年12月にフランスのパリで開催されたCO P21では、日本をはじめ世界196の国や地域が温室効果ガスを削減することを約束しました。日本は2030年度まで2013年度比で26%のCO2排出量を削減する目標を掲げています。この目標を達成するためには、今までのやり方では、不十分なところがあることは明確です。CO2排出量の削減に向けた対策の一つとして、住まいの高断熱化をさらに促していくことが求められています。

日本では、2020年の住宅の省エネ基準の義務化が目前に迫っていますが、私は、ZEHなどのより高いレベルの基準へと標準化していくための一つのステップに過ぎないと見ています。省エネ基準が向上する機会が十分に残されており、断熱材の需要量が増える余地もたくさんあると前向きに捉えています。

もうひとつの相違点は、日本では住宅市場の大半が新築に偏っているのに対して、ヨーロッパでは新築とリフォームの割合が半々であるということです。

長期的に見ると新築市場が縮小していくことは、日本に限らず、ヨーロッパでも同じ状況ですが、例えば、フランスでは、新築着工戸数が減っていく一方で、既存住宅に対する省エネ基準の厳格化により、断熱リフォームの需要が高まり、結果として断熱材の出荷量は増えています。

フランスでは、住宅の省エネ性能によってAからFまでのランクを定めています。省エネ性能の低いEやFのランクの住宅のままでは、ほとんど買い手がつきにくい状況です。また、断熱リフォームに対する手厚い補助制度や減税政策が用意されていることも断熱リフォームの普及を後押ししています。一定のレベルまで断熱性能を高めない限り、買い手がつきにくいため、断熱材や複層サッシなどを活用して高断熱化を図ることが当たり前になっているのです。

また、ホームセンターなどでは、様々な断熱材などが販売されています。エンドユーザー自身が断熱リフォームに取り組むことも珍しいことではありません。フランスのような電気料金の安い国で、断熱リフォームが普及しているわけですから、日本のように電気料金がヨーロッパなどに比べて高く、資源の乏しい国であれば、なおさら断熱リフォームへの潜在的な需要が眠っているのではないでしょうか。日本でも近い将来、断熱リフォームが定着する日が来ると信じています。

COP21でコミットしたCO2削減の目標達成に向けても、断熱リフォームを推進していくことが求められています。国は、ストック活用を重視した住宅政策に舵を切り始めています。今後、さらに既存住宅流通を促進するための施策が充実してくることを期待しています。

断熱リフォームの潜在的なニーズの大きさなどを考慮すると、新設着工戸数が減少していくなかでも、断熱材の需要は増加し、今後10年から30年の間、断熱材の使用量は毎年数%ずつ伸びていくと予測しています。

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特集:

2030年住宅への設置率6割は可能か
初期費用、条件不利地域へのソリューション

国は2030年に住宅での太陽光発電の設置率6割を目標とする考えを示した。
現状の設置率は1~2割とみられ、非常に高い目標と言える。
100万円以上を必要とする「高額な初期費用」や、十分な発電効率を得るのが難しい「条件不利地域」といった課題があるなか、住宅事業者は設置率6割に向けてどのように取り組んでいけば良いのか──。
住宅太陽光発電マーケットの最前線を追う。

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