育児と介護の社会化に向けて

ダブルケアという新たな社会問題への対応が求められている

内閣府の委託によりNTTデータ経営研究所が行った「平成27年度 育児と介護の ダブルケア の実態に関する調査」によると、現在ダブルケアを行っている人の数は、男性で8万5000人、女性で16万8000人にも達しているという。

ダブルケアとは、育児を行いつつ、親の介護などを行うこと。晩婚化、晩産化の影響により、近年、ダブルケアを行う人の数は増加する傾向にある。育児と介護のどちらかだけでも多くの労力を必要とするなかで、その両方を同時に行うとなると、想像を絶するほどの労力を求められるのではないか。

三世代同居を行うことで、親世帯が子ども世帯の育児を支援し、逆に祖母や祖父にとっては万が一の場合に備えた安心感を得られる。そのため、子育て世帯に向けた支援策として、三世代同居の促進が図られているが、親世帯に万が一の事態が起ってしまうと、ダブルケア状態へと陥ることになり、子世帯の負担は一気に増えるというわけだ。


この記事は会員限定記事です。
無料会員になると続きをお読みいただけます。

アカウントをお持ちの方

ご登録いただいた文字列と異なったパスワードが連続で入力された場合、一定時間ログインやご登録の操作ができなくなります。時間をおいて再度お試しください。