住まいの高断熱化で木製サッシに追い風 

タミヤ 民谷浩二 代表取締役

住まいの省エネ化が求められる中で、優れた断熱性能とともに、大開口を確保できるという特性を備えた木製サッシへの注目度が高まってきている。また、普及が進む樹脂窓との価格差が縮まってきていることも追い風となっている。
老舗の木製サッシメーカー、タミヤ(奈良県磯城郡田原本町)の民谷浩二代表取締役は「当社の木製サッシの売上は、ここ5年ほど前年比1割増のペースで伸びている」と話す。

タミヤ 代表取締役 民谷浩二 氏

──会社の概要から教えてください。

当社は、1991年に奈良で創業した木製サッシメーカーです。祖父が建具関係の仕事、父親がガラス関係の仕事をしていました。私自身は、独立して会社を起こしたいと強く望んでいたのですが、何もないところから起業するのは難しい。そんな時、ドイツに行く機会があり、木製サッシを初めて目にし、その性能の高さ、美しいフォルムなどに惹かれるとともに、なぜ日本では、ほとんど普及していないのか不思議に思いました。祖父や父の仕事と関連する部分も多く、木製サッシメーカーとして起業しようと決心しました。その当時、日本では、木製サッシメーカーは、ほとんどなかったのですが、創業したばかりの茨城県の木製サッシメーカーに受け入れてもらい、2年半、木製サッシ製造のノウハウを学ばせてもらった後、奈良で会社を立ち上げました。創業当時は、工務店などに提案しても、「木製サッシを見たことがない」「ペアガラスって何」「なぜ今さら木製なの」という反応が返ってくる時代で、会社の経営が軌道に乗るまでには10年ほどかかりました。

状況が変わってきたのは、今から10年ほど前でしょうか。それから年々、木製サッシの引き合いが増えています。とくに5年ほど前から、当社の木製サッシの売上は、前年比で1割ずつ増加し、右肩上がりで伸びています。10年前に比べて、木製サッシの売上げは倍増しています。人材不足や材料の供給不足の問題もあり、需要に対して、どのように対処するかが今の課題となっています。

樹脂サッシとの価格差が縮小木製サッシは特別なものではない

──木製サッシの引き合いが増えている要因をどのように見ていますか。


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