木製窓市場へ参入相次ぐ、どうなる窓市場
YKK APが7月よりトリプルガラス木製窓を発売、LIXILも25年の木製窓発売へ
YKK APは24年7月22日に国産ヒノキの集成材を利用したトリプルガラス木製窓「APW 651」大開口スライディングを発売する。戸建木造住宅に加え、集合住宅などの非木造建築物用も用意している。一方で、LIXILは快適な暮らしと環境負荷低減を両立する窓「GREEN WINDOW」の新たな選択肢として国産木材(無垢材)を使用した窓を25年に発売予定であることを発表。大手開口部メーカー2社による木製窓市場への参入で、開口部提案に大きな波が起こりそうだ。
YKK APが7月に発売する「APW 651」は、室内側を国産ヒノキの集成材、室外側をアルミで被覆したアルミクラッド構造とし、引違い窓で熱貫流率0.99W/(㎡・K)を実現した。窓種は、片引き窓(偏芯、均等)、FIX窓を用意。耐風圧性S-5等級、水密性W-5等級の性能で、戸建木造住宅だけでなく、非木造の集合住宅にも対応できる。価格は片引き窓(偏芯タイプ/W2600㎜×H2430㎜)で155万800円と、樹脂窓の2倍程度に抑えた。10年保証が付く「APW」シリーズとして発売する。
LIXILは、「GREEN WINDOW」の一環として、国産木材とアルミ押出材を組み合わせたアルミクラッド構造を採用し、高い断熱性能に加え、スリムなフレームと大開口による眺望性・デザイン性を兼ね備えた無垢材の木製窓を開発中であり、25年に引違い窓から展開していく予定であるとした。
YKK APの魚津彰代表取締役社長は、6月4日に行われた記者会見で、木製窓市場の活発化について「カーボンニュートラルを目指し、同じ方向に向かっているということは喜ばしいこと。当社としてもさらに頑張っていきたい」とコメント。脱炭素社会へ向けて、近年ますます注目が集まる窓だが、2社の木製窓販売で市場地図が大きく変わるかもしれない。
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