住友林業、専用設計の構法・部材使った木造混構造の社宅が完成
モデルケースとして普及目指す
住友林業が設計・施工した木造混構造6階建ての社宅が、茨城県つくば市に完成した。
この物件の造りは、平面混構造(中央がRC造、両端が木造)となっている。木造部分を含めた建物全体の水平力を全て中央のRC造に集中させることで、地震の揺れなどに強い設計とした。
木造部分には、混構造用に日建設計と共同開発した「合成梁構法」を初採用。のこぎり状に凸凹をつけた木梁とRC床版の組み合わせで梁の高さを低減し、天井高を確保した。また、木造梁では床に振動が伝わりやすいが、この構法ではRC床版が木造梁の剛性を高めることで、床の振動を抑えている。
さらに、木造部分の躯体には、国土交通大臣認定を取得した同社オリジナルの木質耐火部材「木ぐるみCT(2時間耐火構造部材)」も初採用。この部材の特徴は、耐火被覆材に特注品ではなく一般流通品のCLTや不燃材などを使用していること。これにより、コストの削減につなげた。
加えて、木造とRC造の接合部分にはカナイグループと共同開発した「混構造用接合金物」採用し、木造の小梁とRC造の大梁や柱を接合する金物を規格化した。ここでも特注品の使用を避けることで、コスト削減と設計作業の効率化を図った。
そのほか、施工面においては、「混構造用接合金物」をコンクリート打設前に取り付けるなど、現場作業の簡略化を実施。こうした施工の合理化により、同規模のRC造と比較して工期が長期化しやすい混構造でも、同等の工期を実現した。
なお、同社はこの社宅を「木造混構造中大規模集合住宅」のモデルケースとして普及させていく方針だ。

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