熊谷組、木材で耐火被覆した鉄骨部材を開発
柱の1.5時間耐火認定を取得
熊谷組は、一級建築士事務所のホルツストラと耐火被覆材に木材を使った鉄骨部材「ドレスウッド」を共同開発し、柱における1.5時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得した。
近年、脱炭素や利用適齢期を迎えた森林資源の活用を促す観点から、建築物での木材利用に注目が集まっている。鉄骨造においても、できるだけ木材を使っていこうというのが建築業界のトレンドの一つだ。
これまで、鉄骨造建築の耐火被覆材にはロックウールやケイ酸カルシウム板などの無機系材料が使われてきた。
今回開発したドレスウッドでは、鉄骨部のまわりを生体溶解性繊維(AESウール)の断熱材と木材で被覆する新技術を採用。木材は一定以上の加熱で燃焼するが、炭化しながらゆっくりと燃えるため、建物の荷重を支える鉄骨部への熱伝導を遅らせることができる。また、木材をあらわしで使用することで、木質感がぬくもりや親しみやすさを演出する仕上げ材としても機能する。
使用する木材はさまざまな樹種や材種から選択でき、顧客や設計者のニーズに合わせた材料選択が可能だ。
加えて、軽量で断熱性の高いAESウールと組み合わせることで、被覆厚を最小60mmに抑えスリムな寸法を実現した。 このほど、ドレスウッドを柱に使用した場合における1.5時間の耐火構造認定を取得。建築物の最上階から数えて9層までの範囲に使用できるようになった。この柱は、9階建てのハイブリッドオフィスビル「(仮称)秋葉原木造オフィスビル計画」に初採用する予定だ。
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