積水ハウス 1棟単価が4000万円を超える
ファミリースイートの採用率は6割に
積水ハウスは、2021年1月期の連結業績を発表した。売上高は前期比1.3%増の2兆4469億400万円、営業利益は同9.1%減の1865億1900万円となった。また、1棟単価は4138万円に達し、高付加価値戦略の深耕が進展しているようだ。
積水ハウスの注文戸建住宅の1棟単価は、2018年の3875万円、2019年の3993万円、4138万円と一貫して増加する傾向にある。同社は、従来より高付加価戦略路線をとってきた、その結果、ZEH仕様のグリーンファーストゼロの比率は、2019年の目標78%に対して、87%という実績を残している。
また、ライフスタイル型の提案を推進するファミリースイートの採用率が約60%を達成したほか、「ウイルス対策」をパッケージ化した戸建住宅向けのオプション提案「スマートイクス」の採用率も2月単月で40%に達している。
同社の仲井嘉浩社長は、「当社独自のハードとソフトを融合した提案が受け入れられている」と強調する。
同社では、価格帯別に3ブランド戦略を推し進めているが、中級価格帯のセカンドレンジでは約3300万円の平均単価を徐々に3400万円、3500万円と引き上げていこうとしている。高級価格帯のサードレンジでも平均単価が上昇する傾向にあるという。
大手ハウスメーカーの価格戦略については、市場全体の相場との乖離が大きく、その点がシェア後退の要因のひとつになっているという指摘もある。その一方で長期的な新築市場の縮小に備えて、戸数ベースでのシェア獲得ではなく、売上や利益率を重視するべきという声があることも事実だ。
高付加価値戦略を推し進める積水ハウス。4000万円を超えた1棟単価をさらに上昇させていくことはできるのか。仲井社長の言う「ソフトとハードが融合した提案」をどのように進化させていくかがカギを握りそうだ。
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