2020.9.23

コムテックス、建設キャリアアップシステムの機能強化へ

国土交通省の委託事業として調査・検討

コムテックス(富山県高岡市、後藤敏郎社長)は、国土交通省の委託事業として、建設キャリアアップシステム(CCUS)の機能強化に向けた調査・検討を行う。

コムテックスは、木造住宅などの現場管理のためのアプリ「Kizuku」など、建設業関連の様々なシステムなどを提案している。

労務安全管理システムも提供しており、労災保険料の大幅なコストダウンにつながるシステムとして高い評価を得ている。

建設業の場合、物件ごとに元請けが労災保険に加入することが求められている。通常の労災保険は、実質賃金方式を採用しており、実質賃金に保険料率を掛け合わせることで保険料を算出する。

コムテックスの労務安全管理システム

建設業では、下請業者を含む現場労働者の現場従事時間と実際に支払われた賃金を把握できないため、保険料を算出するための実質賃金を元請けが確認できないという問題がある。そこで、みなし賃金方式が採用されており、建築請負総額に労働費率と保険料率を掛け合わせて元請けが支払う保険料が確定する。しかし、このみなし賃金方式の場合、どうしても保険料が高くなってしまうという。

コムテックスの労務安全管理システムは、現場ごとに固有の電話番号を付与し、現場労働者が現場に入ると、携帯電話でその番号に電話をかけることで、自動で入退情報が蓄積される。加えて、協力事業者から実際に労働者に支払った賃金の情報を同社が取得する。現場への入退情報と実際に支払われた賃金の情報を基に、その物件で現場労働者に支払われた実質賃金を自動で算出でき、実質賃金方式で労災保険の保険料を計算できるようになる仕組みだ。

同社によると、みなし賃金方式から実質賃金方式に変更することで、労災保険料を約50%削減できることもあるという。

労務安全管理システムのノウハウでCCUSの価値を向上

コムテックスでは、国土交通省が実施する「建設技能者の処遇改善及び効率的な現場管理に関する仕組みの利便性向上に向けた調査・検討業務」の企画競争に応募し、事業を受託した。

この事業では、CCUSの利便性などを高めるための調査・検討を行っていく。同社では、労務安全管理システムで培ったノウハウを活かし、電話番号を用いた入退場管理システムを活用し、ICカードとカードリーダーが無くても現場への入退場状況が分かるシステムをCCUSに付与することなどを提案している。

また、CCUSと労務安全管理システムが連携することで、多くの現場で労災保険料を削減できる可能性もあり、CCUSを利用する新たなメリットの創出なども検討していきたい方針だ。  民間工事での活用の遅れが指摘されているCCUSだが、元請けが享受できるメリットが創出されることで、新たなステージを迎えることも期待できそうだ

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ハウジング・トリビューンVol.610(2020年22号)

特集:

災害広域化に備え、求められる数、速さ、居住性

近年、大規模な自然災害が相次いでいる。平成22年度から令和元年度までで半壊以上の住家被害が1000戸以上の災害は東日本大震災をはじめ13災害に上る。令和2年も熊本県などに大きな被害をもたらした「令和2年7月豪雨」が発生。死者・行方不明者80人超、家屋被害は全半壊だけで6000戸に及んだ。今年は新型コロナウイルス感染症という、これまでにない問題も発生し、これまで以上に避難生活から仮設期の暮らしへのスピーディーな移行が求められる。

応急仮設住宅は、「建設型」での対応が行われていたが、災害被害の拡大にともなってより多くの住宅が必要になったことで「みなし仮設」とよばれる「賃貸型」が導入、その活用が広がった。そして、今、注目を集めているのがトレーラーハウスやムービングハウスなどの移動式仮設住宅だ。

今後、南海トラフや首都直下などの大地震による想像を絶するほど大規模な家屋被害も予想される。それだけに仮設期の住宅供給をどうするのかを平時の今から考えなければならない。移動式仮設住宅は、プレハブや木造などの仮設住宅、民間住宅などを借り上げる「みなし住宅」に次ぐ3つ目の柱になるのか――。移動式仮設住宅の可能性を探った。

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