基幹システムとアフターサービスの外部化で生涯顧客化を実現

効率的にストック市場を開拓 KSK「住宅マネージャー」・エプコ「おうちあんしん24」

住宅事業者向けの基幹システム「住宅マネージャー」を提供するKSKと、同じく住宅事業者向けのオペレーションセンターサービスを提供するエプコでは連携を深めている。

KSKの「住宅マネージャー」とエプコの「おうちあんしん24」というサービスを相互連携させることで、効率的に既存顧客の生涯顧客化を図っていこうとしている。

エプコ・ハウスマネジメント事業部の浦山貴継事業部長と、KSK・住宅ソリューション事業部の山口靖ゼネラルマネージャーに、連携の狙いなどを聞いた。

アフターサービスを拡充し、ストック市場の開拓につなげる

エプコ
ハウスマネジメント事業部
浦山 貴継 事業部長

浦山 エプコでは、住宅会社様にアフターメンテナンスサービスを提供しており、現在では約160 万世帯の住宅オーナー様を対象にサービスを提供しています。弊社が他のコールセンターと異なる点は、住宅の専門知識を持ったオペレーターが、ディスプレイに表示される家の図面や設備情報を見ながら、お困りごとの解決方法をご案内している点です。例えば、設備機器故障や修理などは、オペレーターが状況を確認し、業者を手配するところまで一貫して行っています。

こうしたアフターメンテナンスサービスの中で培ってきたノウハウを生かして、CRM サービス「おうちあんしん24」の提供を行っています。

このサービスは、専用のスマートフォンアプリを通じて、お客様との双方向のコミュニケーションを実現し、様々なサポートを行うものです。修理の依頼申し込みや定期点検の日程調整が効率的に行える他、トラブルの解決やメンテナンス方法を説明する動画の閲覧、プッシュ通知で商品・サービスやリフォーム情報などをご案内もできます。住宅会社様の中には、定期点検の日程調整作業に多くの手間を割いていることも多いのではないでしょうか。その結果、定期点検の実行率が下がり、ひいてはリフォーム工事などの受注機会を損ねてしまうこともあるようです。

「おうちあんしん24」では、お客様と住宅会社様の持続的な関係を築いていくものです。新築市場が縮小するなかで、今後は引き渡し後のアフターサービスを通じて、リフォームや住み替えなどのストック需要を開拓していくことが大切になります。「おうちあんしん24」を使えば、人的なリソースを増やすことなく、ストック需要の獲得に取り組めます。

また、引き渡し後のお問い合わせやメンテナンスに関する情報を蓄積していくこともでき、マーケティング活動に活用できます。こうした部分について、KSK さんの「住宅マネージャー」と連携していこうとしています。

情報を活用しDXだけでなくBXにつなげる

KSK
住宅ソリューション事業部
山口 靖 ゼネラルマネージャー

山口 弊社の「住宅マネージャー」は、住宅業界に特化したERPパッケージです。住宅事業の業務フローに沿ってデータを入力することで、一気通貫型で引き渡し、アフターまでを管理できる基幹システムです。「住宅マネージャー」という情報プラットフォームの中ですべての情報を一元的に管理することで、業務の効率化に貢献します。

また、DXだけでなくBX(ビジネス・トランスフォーメーション)を促すツールでもあります。「住宅マネージャー」という“箱”の中に情報を蓄積し、その情報を分析し使うことで、ビジネスを変革していくことができます。

エプコさんの「おうちあんしん24」との連携も、住宅会社様のBXにつなげるための取り組みの一環です。「住宅マネージャー」では、新築時の建物の情報だけでなく、お客様情報も蓄積しています。こうした情報を「おうちあんしん24」と共有することで、より効率的にストック需要を開拓していくことにつながります。

逆に「おうちあんしん24」の情報を「住宅マネージャー」に読み込み、他の情報とともに分析を行い、例えば適切なリフォーム提案のタイミングなどを探ることも可能になると考えているのです。

収益の新たな源泉を住宅会社にもたらすために

浦山 我々は住宅会社様に新たな収益の源泉をもたらすことができればと思っています。過去に引き渡したお客様とのリレーションシップの構築をお手伝いすることで、新築だけでなくリフォームや不動産仲介まで、住宅ライフサイクル全体を囲い込む事業環境を提供していきたいのです。

山口 「住宅マネージャー」を導入して頂いているある工務店様では、「おうちあんしん24」を導入したことで、アフターサービス部門の人員を9名から3名に削減できたそうです。なおかつサービスの品質は向上しており、他の事業部門の人員を強化することもできたそうです。まさに事業の効率化がBXへとつながろうとしています。エプコさんと協力することで、こうした事例を増やしていければと思っています。

KSK「住宅マネージャー」
全ての業務の情報を一元管理 コンサルサービスも提供

KSKの「住宅マネージャー」は、住宅・建設業向けの総合管理システムだ。2018年には全面リニューアルを実施、注文住宅だけでなく、分譲住宅、リフォームなど、幅広い業務範囲をカバーできるようになった。

全ての業務に関する情報を一元的管理でき、業務の効率化とデータ経営の推進に貢献する。

新たな法制度などのへの対応も図っているほか、住宅・建築分野に特化したコンサルタントである清水英雄事務所と連携し、住宅会社の業務フローなどを見直すコンサルティングサービスの提供も開始している。こうした取り組みを通じて、ツール導入のメリットを最大化するための業務改善なども支援している。

エプコ「おうちあんしん24」
オーナーサポートを支援し新たなビジネスチャンスを創出

エプコの「おうちあんしん24」は、引渡し後のオーナーサポートをワンパッケージにした営業支援パック。機器延長保証や緊急駆けつけなど安心サービスに加え、専用アプリにより顧客との双方向コミュニケーションを実現する。
「おうちあんしんサポートデスク」が、住宅オーナーからの困りごと・相談を24時間365日で受付、修理手配を実施する。さらに深夜、早朝を問わず1次対応を行う「24時間緊急対応」も提供する。

また、アプリを活用し、プッシュ通知で定期点検のタイミングのお知らせや日程調整も可能だ。こうしたサービスを通して、顧客満足度の向上とビジネスチャンスの創出を提供する。

株式会社KSK

TEL 050-3803-8115
https://www.ksk.co.jp/

株式会社エプコ

TEL 03-6853-9165
https://www.epco.co.jp/