2022.6.6

生産性向上で〝余力〟を創出 各社の事情に合わせたDXを推進

システムサポート「建て役者」

システムサポートが提供する「建て役者」は、使用する会社の事情に合わせたDXを推進するためのツール。
非住宅分野への進出には業務の効率化も求められるだけに、こうしたDXツールの存在も見逃せない。


京都府北区のgarDENは、京都特有の狭小住宅でありながら、自然の力を最大限に活かすパッシブデザインを採用した住宅を提供している。同社の田中健治代表取締役は、「狭い敷地であっても、しっかりと敷地条件なども読み込み、様々なシミュレーションなどを行いながら設計していくことで、自然の風や太陽光などを活用し、快適な暮らしを実現する住宅を提案するようにしています」と語る。

また、新たな取り組みとして、「未完成住宅」の提案もスタートしている。これは、ナイン(大阪府大阪市、久田一男代表取締役)が「ニューノーマル住宅取得プラットフォーム」として提案するもので、完成90%の状態で販売するものだ。

garDENでは、リノベーション事業なども手掛けるなかで、「新築住宅であっても、構造躯体などは中古住宅のようにある程度は決まったものになっており、内装だけ自由にお客さまの要望に応えるような住宅はできないかと考えています。そういうなかで未完成住宅に出会い、取り組みをスタートさせました」(田中代表取締役)という。

未完成住宅は、分譲住宅のように構造躯体などは住宅会社が決めた仕様で販売するが、残り10%の内装の仕上げの部分などは施主の好みに応じて自由にできる。そのため、コストを抑えたい施主は既製品の内装建具などを使い、徹底的にこだわりたい人は1点ものの造作家具などを採用するといったことが可能になる。なおかつ完全フルオーダーの注文住宅と比較すると、コストを削減することもできる。

田中代表取締役は、「分譲住宅と注文住宅に続く、第三の選択肢をお客様に提供したい」としている。

クラウド型の管理システムで場所や担当者を問わずに情報共有

先進的な取り組みを進めるgarDENだが、「地域で活躍する工務店にとっては、もはやDXは不可欠。様々なツールやシステムを試してきました」(田中代表取締役)という。そして、たどり着いたのがシステムサポートの「建て役者」だ。

「建て役者」は、工務店経営に関する様々な情報を社内で共有化するためのツール。顧客情報や見積、実行予算管理、原価管理、工程管理、アフター管理など業務全般をカバー。こうした機能を活用することで、情報を一元管理できる。
使用する会社の状況や方針、業務フローなどに応じて柔軟にカスタマイズできることも特徴のひとつ。

garDENでは、以前より見積作成などの機能を備えたシステムを導入していた。しかしクラウド型のものではなく、社内から特定の担当者しかシステムを利用できないといった課題があった。ユーザーを増やしたり、カスタマイズを図ろうとする際のコスト負担などにも問題があった。

そこで「建て役者」への移行を図ったというわけだ。「建て役者」であれば、クラウド型であるため社外でも利用でき、設計担当者や工事担当者、経理担当者などが情報の入力や確認が行えるようになった。

「これまでは担当者が紙などで経理担当者などに情報を渡し、そこからシステムに入力するといった手間があったが、それぞれの担当者が直接情報を入力できるようになったことで、業務の重複などを解消できるようになりました。また、実行予算や原価などの管理もスムーズになりました」(田中代表取締役)。

garDENが提案する「未完成住宅」
garDENではパッシブデザイン住宅にも注力

限られた経営資源を有効活用するためのDX

garDENの田中代表取締役は、「まだまだ〝余力〟が生まれるまでには至っていません。今後、もっと使いこなし、電子受発注などにも取り組んでいきたい」と述べている。

工務店があらたな挑戦を行うためには、やはり既存事業の効率化を図りながら、〝余力〟を生み出すことが求められるだろう。

その際に建て役者のようなDXツールが求められることは間違いない。

非住宅という新しい事業領域へと歩みを進めていくためにも、DXツールを用いた業務の効率化が求められそうだ。

非住宅分野にもチャレンジしている(写真は学童保育施設)
「地域で活躍する工務店にとっては、もはやDXは不可欠」と語る田中代表取締役

株式会社システムサポート
TEL:076-265-5081
URL:https://tateyakusha.jp/