EXG2026から探るエクステリアの最新トレンド
4月16日、17日に幕張メッセで開催された「エクステリア×ガーデンエキシビジョン 2026」。防犯対策や宅配ボックス、環境配慮型商品など、社会課題や生活者ニーズを反映した提案が数多く見られた。また、参考出品の数々からも、これからの外構周りのトレンドがうかがえる内容となった。
昨年に引き続き旺盛な防犯提案
24年に匿名・流動型犯罪グループによる侵入窃盗が話題になり、生活者の防犯に対する意識が向上、住まいを見直す契機となった。こうした生活者のニーズをとらえ、エクステリア業界でも敷地に入らせない、建物侵入前に防ぐための提案が活発化している。
LIXILは、「昨年度、防犯商品の売上が前年比127%と大きく伸長した」(エクステリア事業部エクステリア商品開発部 移川拓也部長)ことなどを背景に、市場の需要が高いとみられる防犯製品に注力。今年の秋にはエクステリアに溶け込むデザインの「スマート見守りカメラ」を販売予定だ。
また、同社のスマートホームデバイスであるライフアシスト2では防犯商品と連携することで、照明や門扉のカギの遠隔操作、宅配ポストへ届いた荷物の状態などを行える機能を搭載しており、積極的に提案していく。
マチダコーポレーションは、エクステリア&ガーデンアカデミー校長の古橋宜昌氏の協力のもと、防犯に配慮したエクステリアプランを2つ作成。展示会場でもパネルで紹介した。ブロック塀とそれを支える控え壁の配置を工夫することで、エクステリアとしての見た目や機能性を最大限生かしつつ、防犯性の高いプランとしている。具体的には、控え壁を塀の外側に設け、ブロック塀を雁行状に配置することで、リズミカルなデザインを実現するとともに、塀の内側に生じるポケット空間を活用し、植栽や自転車置き場を配置したり、控え壁を45度に設置して、門を配置、出入りがスムーズになるプランの提案などだ。
タカショーは“開かれたクローズ外構”をコンセプトにした「GLAZIA門扉」を展示。従来の敷地の内外を遮断する壁のような門扉は、防犯性を高める一方で、一度不審者が侵入すると周囲から見えにくくなるリスクも抱えている。同製品は5㎜厚の強化クリアガラスを用いることで、光と景観を取り込み、外から敷地内の様子が見える安心感と外部を遮断する防犯性を両立する。透過性があるため、高さのある門扉でも圧迫感がない。
また、四国化成建材は、人気商品「アートウォール」の展示とともに、防犯性を高める忍び返し「プチガード」を展示した。
一方で、三協立山は、オープン外構を採用している住宅で、車の盗難を防ぐための車庫前ゲート「クルボーノ」を参考出品した。フレームとバーで構成され、様々な車庫に設置でき、バーが上下することで車の盗難を防ぐ。今秋発売予定で、同社は「今後もセキュリティ関連商品をさらに強化していく」方針だ。
宅配ボックス関連で新たな提案が加速
宅配ボックス関連での提案も目立った。コロナ禍以降、ネットショッピングが一般的なものとなり、ドライバー不足や持ち帰り荷物の多さが問題となっている。こうした状況を受け、国土交通省は昨年7月から検討会を設け、「置き配」標準化に向けた検討を行っている。置き配とは、受取人と直接対面することなく、荷物を指定した場所に置いて配達を完了させる仕組みで、その手段として宅配ボックスへの注目が高まっている。
YKK APは、6月に発売予定の「オルフェス ポストユニット」を展示した。シリーズ名のオルフェスはどの角度から見ても(all)美しく整った住宅の顔(Face)となるという意味。第一弾として発売するポストユニットは、インターフォンのある前面だけでなく側面(長辺)を住宅の正面に向けて配置することもできる。
タカショーは、都市部の住宅事情に対応し、広いスペースがなくても設置できる宅配ボックス一体型門柱「ステンレージ」を提案。機能門柱本体の厚みは12㎝とスリムで、宅配ボックスを内蔵しても奥行きが30㎝以内に納まる。前入れ前出し構造で宅配ボックスの背面にスペースを取れなくとも設置が可能だ。価格は戦略的に定価29万8000円に設定。分譲住宅やビルダーが建設する住宅でも採用しやすいようにした。
パナソニック ハウジングソリューションズも、宅配ボックスの展示を全面に押し出した。同社は、ノイズレスデザインで意匠性を向上した「コンボフラット」を中心に、ニーズの高まる複数受け取り機能を持つ宅配ボックスを大々的にアピールした。
三協立山は、戸建て住宅と比べ、採用率が伸び悩んでいる集合住宅の市場開拓を狙う。同社は、3月末に発売したばかりの集合住宅向け宅配ボックス「フレムスコモン」を展示。特に2000年以前に建設された集合住宅では、設置スペースや費用負担の課題から導入が進んでいないとして、既存の集合住宅にも設置しやすいよう多様な設置バリエーションを用意した。
例えば、階段下のデッドスペースを有効活用できる段差施工や、水勾配に配慮したポール建てなど。部屋数や予算などに応じて、宅配ボックスとポストを自由に組み合わせられる設計で、複数ユニットを連結して設置することも可能だ。
また、LIXILは、ユニークな提案として未使用時は暑さ14㎝に折りたたむことができる宅配ボックス「オリタク」を参考出品した。布部分にはオーニングの生地を使用しており、風雨への耐久性も高いという。
一方で、ユニソンは、宅配ボックスをはじめ、門柱、物置、EVポートなど、外構周りに求められる機能を一つに集約する「CUBO(クーボ)」を提案する。宅配ボックスだけでなく、コロナ禍を機に需要が高まったアウトドア用品の収納やベビーカー置き場など、住まいの外部空間には多様なニーズが存在する。そうした機能が分散し、散らかりがちになる外構の機能をまとめることで、合理的かつ快適な暮らしを実現する提案だ。現在は開発段階にあり、実用化に向けて仕様の最適化を進めている。
環境配慮型の商品相次ぐ
社会的な関心の高まりを受け、エクステリア分野においてもサステナブルな社会の実現に貢献する環境配慮型の商品開発や提案が相次いでいる。
LIXILは、再資源化が困難だった廃プラスチックに廃木材を融合させた循環型素材「revia(レビア)」を住宅向け建材として初めて採用した「樹ら楽(きらら)ステージ 木彫タイプ」を展示。同社は、こうした循環型素材を住宅、非住宅問わず広く展開していく考えで、循環型素材を選ぶ喜びをエクステリアの新しい価値に変えていきたいとする。
マチダコーポレーションは、すでに製品化済みのセメントゼロタイプのブロック舗装「ゼロテックインター」に加え、新商品としてセメント使用量を45%に抑えた「低炭素インター」を発売。どちらもセメントを高炉スラグ微粉末に置き換えたもので、通常の舗装材よりも硬化に時間を要するため、4月~11月の季節限定生産となっている。現在の建築基準法やJIS規格は、コンクリートブロックはセメントを使用する前提で作られているため、「ゼロテックインター」は使用できる範囲に制約があることが課題であったが、「低炭素インター」はそのような制約なしに使用できる。
また、三協立山は、大型フェンス「フレラインフォルテ」において、JR東海グループと共同で開発し24年から展開している「新幹線アルミ仕様」をアピールした。この仕様では、東海道新幹線で使用されていたアルミ素材を再利用している。
これらの展示内容から、外構周りに対するニーズが「防犯」「利便性」「サステナビリティ」へと広がり、今後のエクステリアの新たなトレンドを形作ることがうかがえる。





