New   2026.3.9

パロマ・リームホールディングス ゼネラルの子会社化で空調・給湯の製品拡充

 

ゼネラルの子会社化により壁掛けエアコンとダクト式エアコン、ガス給湯器とヒートポンプ給湯器、電気給湯器とラインアップを整えたパロマ・リームホールディングスグループ。
「世界をリードするエアー&ウォーターカンパニー」を目指す。

2025年8月、パロマ・リームホールディングス(以下パロマ・リームHD)が、富士通ゼネラルを完全子会社化、富士通ゼネラルは今年1月に社名を「ゼネラル」へと変更し、新たなスタートを切った。パロマ、リーム、ゼネラルの3社がそれぞれの強みを生かしながらシナジーを創出、売上高3兆円を目指す。

パロマ・リームHDが目指すのは「世界をリードするエアー&ウォーターカンパニー」。

パロマ・リームホールディングス:地域別・事業別 売上構成比

パロマは国内を中心に家庭用のガス瞬間式の給湯器を中心に、ガス厨房機器などを手掛ける。一方、米国アトランタに本社を置き1988年にグループ会社となったリームは、主に、ガス式および電気式のタンク式給湯器、米国特有のセントラルエアコン(ダクト式)の製造・販売を行う。特にヒートポンプ式給湯器は米国のシェアナンバーワンだ。

両社の事業展開の中で課題となってきたのが、日本式の壁掛けエアコンへの対応だ。米国ではダクト式エアコンが一般的だが、世界の潮流は日本式の壁掛けエアコンが主流。「エアコンメーカーであるためには、日本のメーカーから技術を学ぶ必要がある。日本企業とパートナーシップを結び、技術的な底上げ、飛躍を遂げたいと考えてきた」(パロマ・リームHD・小林弘明社長)という。一方、給湯器についても、ヒートポンプ給湯器の需要の高まり、今後の成長を踏まえてその対応を検討してきた。

ゼネラルはこの二つの技術を兼ね備える会社である。パロマとリームは22年に持ち株会社であるパロマ・リームHDを設立し、2社が並列でならぶ形であったが、今回、新たにゼネラル社が加わった。

空調、消防・防災など4領域で暮らしに寄与

左:パロマ・リームホールディングス・小林弘明社長、ゼネラル・増田幸司社長

ゼネラル社は、その目指す姿として「Creating a Life Conditioner」を掲げる。それを実現するのが「空調エコロジー」、「ウェルビーイングソリューション」、「空調サービスソリューション」、「消防・防災ソリューション」の4つの事業領域だ。空調エコロジーは、地球温暖化対策や省エネ対策に寄与する製品、監視サービス、コンサルティングサービスなど。ウェルビーイングとは健康につながる快適性を提供する製品で、人の暮らしに寄与する機能などの研究開発を進める。空調サービスとは住宅や施設に機器の選定から据え付け、メンテナンス、監視など空調のライフサイクル全般的な支援で、コアはネットワークとなる。消防・防災は、同社が得意とするエリアで、機器・サービスの提供に加え、消防・防災のノウハウとエアコンの融合を図る。「融合をどのような形で実現するか、調査・研究を進めており、この組み合わせて必ず新たな価値を社会に提供できる」(ゼネラル・増田幸司社長)と期待をかける。

増田社長は「パロマ・リームHDグループは水と空気のパイオニア。そのメンバーとして一翼を担い、私たちの技術、強みを暮らし・生活に寄与していく、それがクリエイティング・ア・ライフ・コンディショナーの実現につながる」と話す。

ゼネラルが加わり売上高は1兆4000億円に

パロマ・リームHDは、ゼネラルがグループ会社となることで4つのシナジーを期待する。

1つ目が「空調と給湯の技術融合によるイノベーションの加速」だ。環境問題やエネルギー問題を背景に、各国のエネルギー事情や政策が大きく変わりつつある。また、家庭用エネルギーの7~8割を給湯器とエアコンが占める。「空調と給湯器の考え方を一体化させ、この二分野にこだわったグループとして成長を遂げていこう」(小林社長)との考えだ。

2つめが「製品ラインアップの拡充と販売網の融合」で、グループの主力であるガス瞬間式給湯器とダクト式エアコンに、壁掛けエアコンとヒートポンプ式給湯機を加えることで市場競争力を高める。

3つめは「サプライチェーンの効率化」。ゼネラルが加わることで、当然、スケールメリットが期待でき、サプライチェーンの効率化も進めていく。

そして4つめに「保守・修繕サービス体制の共同運営」を掲げる。パロマは寒い冬期に給湯器の取付けや修理で忙しく、逆にゼネラルは暑い夏期に取り付けや修理体制がひっ迫する。両社が補完関係を持つことで凸凹を平準化、サービスの品質向上を図る。

ゼネラルのグループ化により、事業所は100カ国以上、製造拠点は43拠点、研究開発拠点は25拠点となる。25年度(1~12月)の売上高見込は、ゼネラルの約3600億円を加えた約1兆4000億円となる。同社は昨年12月に仏の暖房・換気・空調・給湯のアトランティックグループの過半数株式を取得することで合意しており、同グループが加わることで26~27年には売上高2兆円程度を目指す。「グループ各社が補完し合い、技術イノベーションを起こすことで10年後程度に3兆円を目指したい」(小林社長)と話す。


モノづくりへのこだわりを強みにシナジーを創出していく

ゼネラル 増田幸司社長

ゼネラル 増田幸司社長

私たちは一言で言えばモノづくり屋さん。これまでになかった技術、モノづくりのやり方を革新的に製品に組み込む、そうしたDNAを積み上げてきた。新たな製品に対するチャレンジ、ものづくりへのこだわりが我々の強みだと考えている。空調では、コア技術であるヒートポンプの技術、冷媒を動かすコンプレッサーの制御技術が大きな二つの武器だ。また、一気通貫で開発、製造していくことも大きな強み。コンプレッサー、モーター、制御基板などを開発・製造し、それを製品に組み込むことを一気通貫で行う技術と経験、能力を併せ持っている。

こうした強みを生かしパロマ・リームHDの一員として、今後、取り組んでいきたいのが日本発のモノづくりだ。一つのキーワードとなるのがモジュラーデザイン。世界各国からさまざまな要求がある。それぞれの規制、認可、市場の要求に対応していくためには、一からすべてを設計、開発していくというよりは、主要部品を共通化し、そのベースに各国の要求を加えていくという考え方だ。すでに一部で取り組んでいるが、全製品で展開していきたいと考えている。そのモジュラーデザイン活用のなかでコストダウンも推進していく。

ゼネラルは新スローガンとして「Creating a Life Conditio ner」を掲げた。私たちの一番得意とするエリアであるエアコンディショナーからスタートし、パロマ・リームHDとのシナジーを創出していきたいと考えている。