New   2026.3.13

(独)都市再生機構 /MUJI HOUSE 「団地をみんなで考える研究所」始動 初の屋外空間再現のモデルルームも

顧客と共創で建物老朽化と居住者高齢化の課題解決へ

 

(独)都市再生機構(UR都市機構)とMUJI HOUSEが、団地における新しい価値創造とリノベ―ションのさらなる展開を目指す新プロジェクト「団地をみんなで考える研究所」を始動した。

かつて戦後の住宅不足を解消するためにつくられた団地は、今年2026年に第1号の大阪府堺市にある金岡団地の誕生から70年を迎える。UR都市機構によれば、24年末の段階で同機構が管理する全国のUR賃貸住宅は69万6250戸あり、そのうち大量供給した昭和30~50年代の団地が全体の6割を占める。また、居住者も65歳以上が全体の約37%にのぼり、団地全体が、日本の社会課題の縮図とも言える「建物の高経年化」と「居住者の高齢化」という二つの老朽化に直面している。

こうした課題の解決に向けて、UR都市機構とMUJI HOUSEは2012年から協業を開始、団地のリノベーション、価値向上に取り組んできた。13年に大阪でリノベーション住戸の供給を開始し、25年11月までに累計79団地、約1500戸のリノベ住戸を手がけている。また、21年からは団地住戸だけでなく、外観、屋外広場、商店街区にもリノベーションの範囲を広げた「MUJI×UR団地まるごとリノベーション」を開始し、千葉県の花見川団地など全国4団地で展開している。こうしたプロジェクトにより、若年層や子育て世帯の新たな住民を増やし、団地内商店街を活性化させるなど団地の再生につなげてきた。

「無印良品 東京有明」店舗内にオープンしたモデルルームの住戸部分。建て替えとなった東中神団地などで使われていた梁や玄関扉などを活用し、古さを活かしながらリノベーションした雰囲気を再現している

こうした取り組みを踏まえ、今回両者がさらなる展開のために始めるプロジェクトが「団地をみんなで考える研究所」だ。これまでは両者の提案のもとに改修を行い供給してきたが、東京有明の「無印良品 東京有明」に誕生した新モデルルームとウェブの両方で広く顧客の声を集め、団地や暮らしに関する商品やサービスを共創するプロセスを確立させる狙いだ。MUJI HOUSEの豊田輝人リノベーション事業部長は「団地がある地域の新しい原風景をつくる、団地の70年の歴史を引き継ぎながら次の70年の暮らしをつくる、お客様と双方向で意見交換しながら一緒につくる、という大きな3つの目的がある」と説明。同プロジェクトに賛同・参加するユーザーを年間で2万人集める計画で、集めた声をもとに、団地の住戸および共用部分、さらに団地を含めた地域活性のプロジェクトとして実現していく。

「無印良品 東京有明」店舗内モデルルームの図面。団地の住戸と屋外広場スペースに分かれている

新プロジェクトのリアルな拠点として、「無印良品 東京有明」に新たな団地のモデルルームも開設した。団地屋外ひろばと3DKの住戸を再現し、団地の古い趣きとリノベーションの良さの両方を感じられる空間をつくりあげた。団地の広場を再現したエリアでは、実際に団地で使用されていた掲示板や案内サイン、マンホール、玄関ドアの説明札などを活用。単独でもつなげても使用できる独自開発のベンチ「つながるストリートファニチャー」を中央に配置し、自然と人が集まり、会話が生まれる空間をデザインした。


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