東京一極集中に異変か!?住宅価格高騰で東京、埼玉、千葉で日本人の転入超過が減少へ
住宅価格の高騰が東京一極集中にブレーキをかけた。ファミリー層を中心に郊外化の動きが顕著に進み、さらにその先のエリアへとマーケットを広げようとしている。
総務省の「住民基本台帳人口移動報告」(2025年)で、東京都への人口流入の減速が明らかになった。住宅価格高騰・住宅賃料高騰のなかで、住宅需要は23区から郊外へ、そしてさらにその外側へと広がっている。価格高騰・賃料高騰が一極集中の流れにブレーキを掛け始めたとも言えそうだ。
東京への一極集中が大きな社会課題として指摘されて久しい。コロナ禍でいったんは東京脱出の現象が起こったが、コロナ禍が明けると揺り戻しのように人口の流入が加速した。しかし、このほど発表された「住民基本台帳人口移動報告」(2025年)では、こうした動きに大きな変化が現われた。
1都3県の人口移動に変化が


東京都の転入超過は6万5219人と、依然として全国最多の転入超過ではあるものの、その転入超過数は前年の7万9285人から1万4066人の減少となった。転入超過の減少は4年ぶりで、コロナ禍での減少以降初となる。周辺3県も転入超過を続けており、神奈川県が2万8052人(前年比1089人増)、埼玉県は2万2427人(同691人増)だが、千葉県は7836人(同23人減)と転入超過数が減っている。この傾向は日本人だけに限るとさらに顕著だ。転入超過数の前年比は、東京都が4966人減、神奈川県が945人減、埼玉県が1487人減、千葉県が799人増と、東京都だけでなく神奈川県と埼玉県の転入超過数が減少している。つまり、神奈川県と埼玉県は転入超過を続けているが、それは外国人によるものであるということ。ちなみに外国人のみの転入超過をみると埼玉県、神奈川県が1位、2位となっている。
東京都だけでなく、その居住の大きな受け皿である神奈川県、埼玉県までもが転入超過にブレーキがかかったのである。
ファミリーの転出が顕著な東京
埼玉県にもその兆しが
1都6県の転入超過数を年齢別にみてみると、転入超過数トップの東京都においては転入超過となっているのは15~24歳の若年層に限った話で、それ以外の層は転出超過になっている。つまり若い層は進学や就職で東京に転入してくるものの、14歳以下の子どもがいるファミリー世帯、また、それ以上の層が東京都から転出しているということだ。神奈川県は東京ほど顕著でないものの、25年の35~59歳の転出超過は56人とほぼ横ばい。14歳以下が転出超過になっていることから、若年層の転出が始まっているとみていいだろう。実際、市単位で35~59歳の転出超過をみると、横浜市が51人増で横ばい、川崎市は2460人の転出超過になっている。
一方、全体で転出超過になっている茨城県、栃木県、群馬県はすべて15~24歳が転出超過で、35歳以上は転入超過となっている。また、転入超過数が増加している埼玉県はすべての年齢層で転入超過だが、その人数は14歳以下が減少、15~24歳が増加、25~34歳が横ばい、35~59歳が減少と、ファミリー世帯転出の予兆が見えている。
首都圏市場は1都6県へ
100㎞超も選択範囲に
このような人口移動の変化の背景として指摘されるのが住宅価格・賃貸住宅賃料の高騰だ。
東京のマンション市場は、新築、中古ともに平均価格が過去最高を更新、これにともない中古戸建住宅の価格も緩やかな上昇を続ける。一方、賃貸住宅においても賃料の上昇が顕著で、新築物件だけでなく既築物件でも上昇が始まった。
こうしたなかで住宅需要は中心から外へと急速に広がりつつある。ファミリー層は十分な広さを求め、価格も比較的安定している郊外の新築・中古の戸建住宅へ。単身を中心とする賃貸需要者も利便性を損なわない程度に家賃を抑えられる外側へと向かう。
LIFULL HOME,Sが発表した「住みたい街ランキング2026 首都圏版」には、こうしたニーズの変化が如実に表れている。同調査はポータルサイト「LIFULL HOME,S」に掲載された物件の問い合わせ数を集計したもので、首都圏版は1都3県(東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県)が対象だ。
「借りて住みたい」ランキングのトップ3は、葛西、八王子、大宮。以下、本厚木、三鷹、川崎、高円寺、荻窪、北千住、三軒茶屋と続く。トップ3は賃料相場が10万円を切るエリア。
安さを求めて「郊外」へ向け買う動きと、利便性を求めて都心回帰という二極化が現われている。ただ、山手線内には戻ってきていない。
住まいの最新ニュース
リンク先は各社のサイトです。内容・URLは掲載時のものであり、変更されている場合があります。
イベント
内容・URLは掲載時のものであり、変更されている場合があります。
-
インテグラル 中大規模木造の構造デザインをテーマにセミナー
2026.02.26
-
ソトダン21 特別オープンセミナーを開催
2026.02.26
-
インテグラル 岩前教授が省エネ住宅の“家計”と“健康”のメリットを解説
2026.02.24



