New   2026.1.29

積水化学工業が北海道の木造住宅会社を買収

プレハブメーカーの木造強化の流れ続く

 

積水化学工業 住宅カンパニーが、北海道で木造注文住宅の設計・施工を手掛けるアーキテックプランニング(札幌市)を買収したと発表した。

同社は、主軸である鉄骨ユニット住宅に加え、エリアによって木質系ユニット住宅を展開している。木質系は工場が関東以西に限られているため、移送コストの問題で北海道ではこれまで展開していなかった。北海道エリアでは、寒冷地の気候に合わせた独自の鉄骨ユニット住宅を提供してきたが、より幅広い顧客層にサービスを提供できるパートナーを探していた。アーキテックプランニングは2003年設立の企業で24年度の売上高は73億円、同年度の施工棟数は221棟。高い性能とデザイン性を両立した木造注文住宅会社で、特に札幌市や旭川市、苫小牧市を中心に豊富な施工実績がある。同社との連携により、鉄骨ユニット工法と木造軸組工法の両輪での販売戦略が展開でき、事業シナジーも期待できることから、株式取得に至った。

アーキテックプランニングが手がけた札幌市内のモデルハウス外観と内観

この連携により、3つの効果を見込む。1つは販売強化で、鉄骨、木造軸組の両社のブランドを活用し、顧客の多様なニーズに対応する。2つ目は施工・輸送面で、両社の協力会社を相互活用することで職人不足への対応と施工時期の平準化を図り、効率的な輸送体制の構築も目指す。3つ目は仕入れ面で、住宅設備などの一括仕入れによるコストダウンや安定した供給体制の構築を進める。地場企業のブランドを活かすという新たな形で北海道エリアの木造住宅販売に注力する。

ほかにもプレハブ住宅メーカーの木造事業強化が続く。積水ハウスは、同社が培ってきた技術をオープン化し、良質な木造住宅ストック形成に貢献することを目的とした共同建築事業「SI(エスアイ)事業」に力を入れている。同社が基礎、構造躯体、および接合部の設計と施工などの「S(スケルトン)」を担い、パートナー企業は外装・内装などの「I(インフィル)」土地の仕入れや販売活動、顧客対応を担う。23年から始動し、25年12月までにパートナー企業は10社となった。

大和ハウス工業は、戸建住宅の7割を木造化する方針を打ち出し、特に分譲住宅でその割合を徐々に高めている。賃貸でも分譲限定で新たな木造商品を投入する予定だ。同社がデベロッパーの立場として商品のモジュールを提供し、建築は地場工務店が担う形を取る。

旭化成ホームズは、24年に立ち上げた木造戸建住宅の新ブランド「Asu︲haus」を賃貸住宅に転用する実証実験を開始した。

プレハブメーカーは、クローズドな形で工業化住宅を進化させてきた。しかし、新築市場の縮小で工場の維持が厳しくなってきている。一方で、プレカット材の普及により、軸組工法は工場を自社で保有することなく、ある程度の工業化を行えるようになった。高断熱化のニーズが高まる中で仕様変更を行いやすいというメリットもある。今後もプレハブメーカーの「木造シフト」の流れは続きそうだ。