日鉄興和不動産、アグリデベロッパー目指し農業に新規参入
新会社を設立し北海道・室蘭市でリンゴを生産
農業事業に本格参入、第一弾として北海道室蘭市でリンゴ栽培を開始する。
事業領域拡大、地域産業活性化などが目的で、10年後に売上高10億円を目指す。
日鉄興和不動産が、日本農業(東京都品川区、内藤洋平CEO)と協働で「日鉄興和不動産農業」(北海道室蘭市、鈴木誠治社長)を設立、不動産事業の領域拡大として農業事業に参入した。
日鉄興和不動産は、日本製鉄の製鉄所エリアに事業所を構え、製鉄所の遊休地を中心に住宅開発、大型商業施設を展開するなど、「製鉄所と共にある街づくり」を手掛けてきた。一方、24年にスマート農業スタートアップのAGRISTへの出資・業務資本提携、農林水産業界関係者や行政、自治体、投資家らと意見交換を重ねてきた。こうした取り組みを通じ、農業分野において不動産事業と同様に土地に根差した事業として収益を確立し、持続的に展開することが重要と判断した。日鉄興和不動産の三輪正浩社長は「既存事業だけでは成長を見込めない。農業は土地を活用するという意味で不動産業と深いつながりがある。投資家という立場やCSRではなく、しっかり事業として取り組み、利益を生んで地域経済の活性につなげたい」と事業進出の意味を語る。作付けから規模拡大、ブランド化、流通整備までを一気通貫で手掛け、農業を起点に地域の産業価値と魅力を高める考えだ。
エリア、作物を拡大し
10年後に売上高10億円を目指す
その第一弾プロジェクトが室蘭市におけるリンゴ生産だ。日鉄興和不動産が所有する10haの遊休地を活用、その内の4.75haに作付けを行う。26年春に約0.77haを、27年に約3.98haを開園する予定だ。また、将来的には農地周辺に宿泊施設を整えた観光農園化なども視野に入れている。
これまで室蘭市内でリンゴ栽培の実績はない。農業事業参入を同市から始めたのは、所有地があるだけでなく、長年の街づくりを通じて行政との強固な信頼関係を築いてきたことが大きい。土地活用に関する協議を迅速、柔軟に進められる環境が整っていた。また、リンゴ栽培という観点からは、近年の温暖化による生産地の北上傾向を踏まえ、気候条件や土地特性が新たな栽培適地となり得ることを確認できたこともポイントとなった。
栽培方法は「高密植栽培」を採用する。イタリア発祥で世界的に主流となってきている栽培方法で、収益性、効率化を高めることができる。一本一本の樹を細く仕立て面積当たりの定植本数を増やすことで平均収穫量を1反当たり約6トンと、日本で広く採用される栽培方法に比べて約3倍の収穫が可能となる。樹を一直線に並べて植えることでシンプルな作業動線を活かした機械化など、定植や収穫などの作業負担の軽減も図ることができる。また、定植2年目からの収穫が可能で早期多収であることもポイントだ。日本農業では青森県で高密植栽培での実績を持つ。
約4.75haの作付で収穫量250~300tを見込み、日鉄興和不動産が開発・運営するショッピングセンター「MORUE中島」(室蘭市)をはじめ、まずは地域貢献の視点から道内の販路を確保する。5~6年後の黒字化を見込む。
室蘭市での生産基盤の確立を踏まえ、29~32年には近隣エリアへの拡大、他品目への拡大を進める計画。「場所や作物を限定せず、生産に最も適した場所、作物にトライしていきたい」(日鉄興和不動産農業・山下恒取締役)と、10年間で100ha規模の生産体制、売上高10億円、利益2億円前後を目指す。
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