New   2025.12.19

ウルトジャパン「ASSYビス」 住宅高性能化に資する締結技術と施工合理化

 

ウルトジャパンは、高性能ビス「ウルトASSYビス」の販売を強化する。昨年から調達ルートの見直しを図り、コストダウンを図った。住宅・建築物の高性能化、高耐久化が進む中で性能を下支えするビスとして注目度が増している。

ウルトジャパンはドイツに本社を置く企業で、1945年に南ドイツのキュンツェルザウで創業。現在は従業員8万人、売上高約2.7兆円のグローバル企業に成長している。ドイツではウルトショップと呼ばれる自社ブランド製品のみを扱うプロ向けホームセンターを約450店舗展開しており、ヨーロッパでは非常に高い認知度を持っている。日本では1987年に自動車部門を中心に設立され、現在、日本での売上の約8割は自動車産業関連となっている。

「割れない、裂けない」を高いレベルで実現

建築部門は2011年から活動を開始。主力商品は、高性能ビス「ウルトASSYビス」だ。ヘッドからビス先端までオリジナル技術が詰まっており、高いレベルで「割れない、裂けない」を実現する。

最大の特徴は「RWドライブシステム」と呼ばれる星型の頭部構造で、これにより回転トルクがロスなくビスに伝わる。従来のプラスドライバー用ビスと比較して、ビットとビスの密着面積が大きく、隙間なく噛み合うため、回転力の伝達効率が高く、なめにくいという利点がある。

また、ウルトASSYビスには他にも「フレキヘッド」「一体型シャンクカッター」「クロススレッド」「非対称形状のスレッド」といった技術が採用されている。フレキヘッドは木材表面を傷つけずに打ち込みが可能になる技術で、削りくずをほとんど出さない。金物の固定にも適している。一体型シャンクカッターはビスと木材の摩擦を低減して高熱化を防止する技術で、工具にかかる負担を軽減する。クロススレッドは木の割れ・裂けを防ぐ技術で、特に木材端部への打ち込み時に有効だ。非対称形状のスレッドは、ビスの打ち込み速度を向上させ低トルクでの施工を可能にする技術だ。

ヘッドからビス先端までオリジナル技術が詰まっている

これらの技術により、ウルトASSYビスは下穴を開けなくても木材を割らずに打ち込むことができ、施工効率が大幅に向上する。実際の施工例として、ある木製外壁の板張り工事では、通常は下穴を開けてからビスを打つ二度手間が必要だが、ウルトASSYビスを使用することで下穴なしで施工でき、3000箇所の施工で約4人工分の工数削減が可能になった。

ビス製品のラインアップも豊富だ。垂木留め用ビス、付加断熱用ビス、木製外壁止めビスなどがある。特に垂木留め用ビスは、競合製品と比較してネジ山の長さが約2倍あり、保持力が1.4倍あるにもかかわらず、価格は同等か安いという競争力を持っている。


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