New   2025.12.12

中央住宅 東京・江戸川区で都市型3階建て分譲開発

デザイン力活かした差別化でさらに東京市場強化

 

ポラスグループの中央住宅が、東京・江戸川区内で都市型3階建て住宅の分譲地を開発した。
デザイン力を活かした3階建てで差別化を図り、東京都内の開発に注力していく考えだ。

中央住宅が、東京・江戸川区に3階建てを中心とした分譲地「リーズン 船堀 アイ・ラウンジ」を開発した。場所は都営新宿線船堀駅から徒歩で約10分。10棟のうち9棟が3階建てで、3階建てはいずれも土地面積は約70~80㎡、建物面積は100㎡、1階に駐車スペースを入れ込むなど、同社の分譲住宅でも際立ってコンパクトなつくりとなっている。

現在、東京都内においては土地価格の高騰により、限られた土地で十分な住空間を確保し価格を抑えた3階建て分譲住宅の需要が高まっている。ポラスグループによれば、同グループ内が供給する分譲住宅のうち3階建ては5%以下程度で、その他ほとんどは2階建てという。中央住宅の戸建分譲千葉事業部は、流山市、船橋市の2カ所に拠点を構え千葉県に注力していたが、24年11月に市川市に3ヵ所目の拠点をオープン。今後、東京の江戸川区や葛飾区などでの販売を強化するにあたり、グループならではのデザイン力を活かした3階建てを訴求し、東京での競争力を高める狙いだ。

今回の分譲地設計を担当した戸建分譲設計本部設計二部営業企画設計課の本堂洋一参事は「これまでは(都内の住宅販売競争)最前線で、我々が2階の戸建に執着して他社に土地を持っていかれるという状態だったが、やられっぱなしではなく、都内でもエリアを広げていきたい。その中で強みであるデザイン、空間掌握能力などを生かし、『つくり込んだ3階』というジャンルで、他社と一線を画していく」と狙いを語った。

ツーバイフォーで天井高確保

「リーズン 船堀 アイ・ラウンジ」のまちなみ

こだわったのが天井の高さだ。1階に駐車スペースを入れたことにより自動的に2階となったLDKは、19帖の広さに加え、2.7mの天井高を確保した。さらに、1、3階も天井高2.42mとし、3階建ての狭さを感じさせないよう工夫した。天井高を確保するために、工法は軸組ではなく、ツーバイフォーを選択した。「軸組の場合、1階の天井から2階にかけて強力な梁と、厚みが必要になる。対してツーバイフォーは、薄くしても構造上十分な強度を確保できるため、高さがとれる」。ただ、ツーバイフォーは給水、排水管のスペース取りなどで融通が利かないため、計画に入れながら設計するのに手間がかかるというデメリットもある。「マニュアルは作らず、1棟1棟向き合う必要がある」(本堂参事)と、今後は土地の形状や斜線制限に合わせながら、案件ごとに工法を変えていくという。

また、内装への木材採用、収納の充実、植栽や灯りでの街並み形成など、細部まで工夫を凝らした。本堂参事は「他社の3階建て分譲住宅と見比べて、良さを感じてもらっている。購入者の方々から評判が広がっていけばいい」と期待を寄せる。

外国人顧客対応で工夫

価格は6000万円中盤から7000万円後半程度。9月12日から販売開始し、11月上旬時点で192組の反響があり、10棟中6棟が契約となった。価格は近隣の新築住宅より高めの設定だが、駅近くのマンションと並行した検討が多いという。外国人が多く住む地域に近いというエリア特性もあり、顧客の約3割は外国人。中には日本語での会話が難しい顧客もいるため、翻訳アプリの使用や英語版資料の作成、無人内見システムの活用などで対応している。