New   2025.10.15

(一財)家電製品協会、ZEHコーディネーター資格を創設

住宅・リフォームの営業担当者への普及を目指す

 

ZEHの営業力・提案力を持つ人材育成に向け新資格「ZEHコーディネーター」を立ち上げる。
住宅・リフォームの営業担当者を中心に、初年度1000人の受験者を見込む。

(一財)家電製品協会が新たに「ZEHコーディネーター」資格制度を創設、2026年9月に第一回の試験を実施する。

「2050年カーボンニュートラルの実現」を進めるなか、住宅の省エネ向上の一つの目安となっているZEH。30年には省エネ基準義務化のレベルをZEH水準に引き上げる予定で、27年度をめどに新たなZEHの定義が導入される見込みと、今後も住宅省エネ化の旗頭としての役割を果たしそうだ。

こうしたなか同協会では、複雑な制度の理解と活用を実践できるプロフェッショナルな人材が求められているとする。同協会がZEHビルダーの経営者・営業責任者に行ったアンケートによると、「高性能住宅+創エネの知識と、接客力を兼ね備えた営業スタッフを育成する制度があれば活用するか」には80.0%が活用したい、また、その活用目的として「お客様への信頼づくり」(29.7%)、「新人営業の基礎教育」(18.7%)、「中堅営業のスキルアップ」(18.7%)などがあげられた。「営業現場のニーズを踏まえ、スマートマスター資格制度の知見を活かして、家電ではなく主に住宅・リフォームを担当する人を対象に創設」(川上景一専務理事)したのが「ZEHコーディネーター」である。

そのポイントは、新ZEHなど省エネ住宅の営業に必要な知識を効率的に学べる、補助金の有効活用など施主にとって魅力的な提案ができる、営業現場で役立ち施主からの信頼が得られる、という3点で、資格取得者は、主に住宅事業者の新築やリフォーム担当者を想定している。家電に関する営業担当者ではないことから「住宅、リフォームに精通しているパートナーが必要」(認定センター 西崎義信センター長)と、(一社)ZEH推進協議会に協力をあおぎ、同資格に対する推奨を得た。同協議会では「ZEHコーディネーター」の普及・活用を支援し、住宅業界全体でのZEHの浸透を目指す。

ZEHコーディネーター資格制度の説明をする(一財)家電製品協会・川上景一専務理事

年間1000人の受験者を見込み速いペースでの普及を目指す

同協会は、16年に「スマートマスター資格制度」を立ち上げた。スマートハウスのスペシャリストを目指す新資格で、累計取得者は1万人を突破している。ただ、当初の見込みとは異なり、その資格取得者のほとんどが家電業界の営業担当者で、住宅業界には広がらなかったのが現実だ。非常に幅広い知見が求められ、かつその半分が家電に関するものであったことから、住宅業界向けにはハードルが高かったとみられる。

さらに役立つ資格制度としていくため、2年前に第三者委員会を立ち上げ資格制度の将来像を検討、ZEHや省エネ住宅の普及を視野に住宅業界を想定した資格制度へと広げていくべきと、今回の「ZEHコーディネーター」の創設を決めた。

26年に第一回試験を実施、以降、毎年9月と3月の2回実施していく計画。教材は電子版テキストと講義用ウェブ動画を用意、スマートフォンでも視聴できる。試験はCBT方式で、2週間の間に全国約300カ所に設定された試験会場の都合の良い場所で受験が可能。資格の有効期限は5年間(資格更新制度あり)だ。

同協会では、初回500人程度、年間1000人以上の受験者を見込み、「スマートマスター資格は9年間で約1万人であり、もっと速いペースで広げていきたい」(西崎センター長)とする。