中央グリーン開発、風致地区の制約を価値に転換
3つの庭を楽しむ2棟の分譲地 数日で完売
ポラスグループの中央グリーン開発が、風致地区の制限を価値に転換した2棟の分譲地「ブリスト大宮公園 共庭(ともにわ)の景」を開発した。
風致とは「自然の景色のおもむきや味わい」のことであり、自治体により風致地区に指定されている地域では、風致を守るために宅地の造成や建築物の建築などにおいて規制がかかる。今回、中央グリーン開発が手がけた土地は、さいたま市内の東部アーバンパークライン大宮公園駅徒歩10分に位置する風致地区で、住宅を建設するにあたり3つの制約があった。1つは、「壁面後退」で道路から2m、隣地から1mは建築不可であること。2つ目は「緑化率」で、2邸の敷地面積の10%を緑化すること。3つ目は「樹木本数」で、敷地全体で高木7本、低木21本以上植えることが必須だった。こうした条件に加え、小棟分譲地でみられる街区計画の難しさも重なった。設計部企画設計課の剣持翔太課長は「手前に整形地、奥に旗竿地がスタンダードだが、旗竿地の敷地延長部分は駐車スペース以外の用途に使いづらい。また、フェンスなどで区切られることで分断されてしまい、ポラスグループが大切にしている『コミュニティの醸成』を実現するのが難しい」と2棟分譲地ならではの課題を説明した。
こうした二重の課題を解決するため、手前にある1号棟の壁面後退部分と奥にある2号棟の敷地延長部分を地役権設定し、アプローチ部分を2棟で共有することとした。道路側に2棟の駐車スペースを配置し、共有空間に庭を計画した。「路(みち)ノ庭」としたアプローチ手前部分には、高木を植え雑木林の雰囲気を作るとともに、収納ベンチや家庭菜園プランターを設置し、家族同士の交流を促す場とした。アプローチ奥の「交ノ庭」は、段差をつけた共有の広場スペースで、子どもの遊び場、お茶や軽食を楽しむなど多様な用途に使える空間とした。加えて、「景ノ庭」として、各棟にはリビングと一体化する私的な庭も確保した。3つの庭により、風致地区の条件を満たしながら、プライベートとコミュニティを両立させるプランが実現した。
各戸プランは、196㎡以上のゆとりある敷地を生かした。1号棟は1階だけで生活できる「半平屋」をテーマとした。1階は勾配天井を採用した18帖の広々としたLDKに、畳の小上がり空間、主寝室を連続させ、2階は子どもの成長などに合わせ間仕切り壁で対応できる空間とした。2号棟は、2階に水回りを集め「家事楽」の動線を実現。1階は土間スペースやウッドデッキなどの半外・半内の空間を設け、リビングに2段上がった小空間をつくるなど遊び心をプラスした。
1号棟(土地面積199.93㎡、延床面積118㎡)は8480万円、2号棟(同196.32㎡、同107.44㎡)は8180万円と高額だが、8月の販売開始直後に申し込みが集中し、数日で2棟とも契約に至った。ブランディング課 プロモーションチームの茂田隆俊主任は「集客は世帯年収の高いパワーカップルが中心。ポラスグループでも風致地区や、これだけ土地の大きい分譲地は稀であるため、代替提案が難しかった」と話した。
特に1.5階の半平屋とした1号棟に人気が集まったため、今後も同様のプランを展開していく考えだ。
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