大成建設/大日本塗料、塗るだけで建物の断熱性能を向上する外壁用塗料
熱伝導率0.071W/(m・K)、高い耐候性も
大成建設と大日本塗料が、塗るだけで建物の断熱性能を向上することが可能な水性塗料「ZERO-eコート」を、日本大学生産工学部建築工学科 永井香織教授の指導・評価のもと、共同で開発した。
脱炭素社会の実現に向けて、オフィスビルや住宅などでは、ZEH化、ZEB化の動きが加速している。こうしたなか、大成建設がコンセプトを立案、大日本塗料と共同で、手軽に建物の断熱性を向上することができる塗料を開発した。
両社が開発した「ZERO-eコート」は、断熱性能を有したことにより、外壁に塗ることで従来の塗料に比べて外壁自体の蓄熱量を抑制できる画期的な塗料だ。建物内部への熱影響を抑え、効果的にエネルギー消費量の低減を目指すことができる。一般塗料や遮熱塗料と併用が可能な中塗り用水性塗料で、高い断熱性と耐候性を備える。
ポイントは、軽量でありながら高い圧縮強度と優れた断熱性能を併せ持つ素材「中空ガラスビーズ」の採用だ。
一般的に、この類のビーズを多量に配合すると、断熱性能が向上する一方で、塗料全体の安定性や耐候性が低下するといった懸念があった。
しかし、大日本塗料の塗材の調合を制御する独自技術を駆使することで、中空ガラスビーズの組成に類似した樹脂を用いて塗膜内を高密充填化する技術を確立。ホットディスク法(検出する試料に挟み込まれたセンサーから一定の電流を流して発熱させ、センサーの温度上昇から試料の熱特性を計測する方法)を用いた測定では、熱伝導率0.071W/(m・K)を達成した。開発にあたっては、「熱伝導率を下げること、屋外耐候性を有することを重要な性能と考えた。そのためには塗料を厚悪かする必要があり、この3つの要素をいかにバランスよく調配合するかに時間を費やした」(大成建設)という。

建物を使用しながらの断熱化が可能に
「ZERO-eコート」は、新築、改修どちらにも使用できるが、特に期待されるのが、既設建物の改修における活用だ。
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