LIXILが循環型低炭素アルミを住宅製品に展開
リサイクルアルミ、ついに住宅分野へ
LIXILが、リサイクルアルミの使用比率の下限を60%に設定した循環型低炭素アルミ形材「PremiAL(プレミアル)」を10月より住宅用製品を含めた全てのアルミ製品に標準展開する。リサイクルアルミの採用は、非住宅物件を中心に広がりつつあるが、同社はいち早く住宅への採用を進める。
軽量で加工がしやすいアルミは、世界的に需要が拡大している素材のひとつだ。建築物のみならず輸送関連でも注目が高まっており、出荷量は今後も右肩上がりで増えていくことが予測されている。一方で、アルミの新地金は製錬の際に多くの電気を使用するため、CO2排出量が多く、脱炭素社会の実現へ向けては、環境価値の高い低炭素アルミ形材が求められている。
こうした環境下で、同社は2022年に原材料にリサイクルアルミを使用しながら、新地金を使った形材と同等の性能を発揮する循環型低炭素アルミ形材の「PremiAL」シリーズを発表。これまで、リサイクルアルミ使用比率70%の「PremiAL R70」、リサイクルアルミ使用比率100%の「PremiAL R100」を受注生産で順次展開し、店舗やビルのアルミサッシなどに採用されてきた。
また、近年は自動車や家電機器などの分野からの問い合わせも増えているという。
住宅用製品にPremiALを展開
一方で、需要家からは、住宅向け製品への展開拡大や求めやすい価格での供給量拡大などの要望があった。
こうしたなか、ロットごとのアルミリサイクル率のばらつきを見直すことなどで、LIXILのアルミ形材を使用している全ての製品(建材・設備)で、リサイクルアルミ使用比率の下限を60%に設定した「PremiAL」を標準展開する。これにより、PremiALシリーズは、既存の「PremiAL R70」、「PremiAL R100」に、全製品に標準展開する新しい「PremiAL」を加えた3本柱となる。

具体的には、同社の製品におけるリサイクルアルミ比率は25年3月期の実績で平均80%を達成していた。しかし、リサイクルアルミ比率はロットによるばらつきがあり、80%を超えるロットがある一方で、平均を下回るロットもあった。同社はこの点に改善の余地を見出し、ロットを問わずリサイクルアルミ使用比率の下限を60%に設定。自社製品で使用しているアルミ形材のリサイクルアルミ使用比率を底上げ、均一化することで全製品への対応を可能にした。
この「PremiAL」を使用することで、素材由来のCO2排出量は新地金を使用したアルミ形材と比較して、約50%削減することができる。
「PremiAL」の標準展開にあたっては、市中から回収するスクラップに含まれる不純物をいかに少なくするかが大きな課題であったが、パートナー企業との協力で純度の高いスクラップアルミを調達可能となり、また、同社の持つ溶解技術で不純物を極力抑えられ、実現に至った。

受注生産品の「R70」「R100」に標準品の「PremiAL」を加えた3本柱で、2031年会計年度末までにアルミリサイクル100%を目指す
量産体制を構築し価格は据え置き
一方で、リサイクル材の採用において、重要となるのが価格の課題だ。
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