素材感と高級感を追求した塗り壁材「クライマテリア」

優れた意匠性で建築デザインの幅を広げる

 

機能性と多彩な色柄が支持を集め、今年11月に50周年を迎える「ジョリパット」。
近年はその上位ブランドとして、石やモルタルの素材感を表現できる「クライマテリア」も展開し、
建築デザインの幅をさらに広げている。

機能性と多彩な色彩が人気のジョリパット。今年11月に発売50周年を迎える

アイカ工業は、1975年にフランスのセ・ジェコール社より塗り壁材「ジョリパット」を輸入し、販売を開始。78年には、技術連携による国産化に成功、リーディングカンパニーとして日本の風土に合う塗り壁材を供給してきた。低汚染性、防藻・防カビ性、耐候性など様々な機能のバランスが高いレベルでとれていることや、使いやすさが施工者から評価を得てきたという。また、不燃認定を取得した内装用や、ひび割れによる剥がれを起きにくくする可とう性(弾性)のあるものなども、時代の要望に合わせて開発、発売してきた。一つのシリーズで幅広く対応できることが強みになっている。

さらに、「ジョリパット」の最大の特長といえるのが、色柄の多さだ。シリーズ全体で148パターン、141色を用意する。ただ色を並べるだけでなく、色相・明度・彩度の3要素を体系化した独自のカラーシステムを構築し、設計者が豊富なバリエーションからカラーの選択や組み合わせを行いやすくしている。こうした色柄やカラーシステムも見直しを繰り返し、市場の声に対応したラインアップを揃える。

化成品カンパニー営業本部 建設樹脂営業部の吉川一爾リーダーは「当社は内外装材や副資材など様々な商品を扱っており、各方面から情報が集まってくるため、時代の流れを取り入れやすいのではないか」と語る。こうした時代の流れに沿った提案や施工性・安定性が評価され、「ジョリパット」は今年11月に発売50周年を迎える。

重厚感あふれる「ストンアート」
リアルな石目の風合いを表現

クライマテリア ストンアート モアフラットSAの採用例。
物件名:紙縒(こより)の家。設計:株式会社K-ATELIER

2018年に塗り壁材の上位ブランドとして立ちあげたのが「クライマテリア」だ。長年「ジョリパット」で培ってきたバランスのとれた機能性はそのままに、意匠性を追求。当時、高級志向がトレンドとなっていた住宅市場に向け、第一弾として「モルタルアート」を投入した。「ジョリパット」が砂目調なのに対し、「クライマテリア」は、石やモルタルなどの素材感を塗り材でリアルに表現した意匠性が大きな特長となっている。

特に、塗り材に本物の小石を混ぜ込み、重厚で高級感のある風合いを表現した「ストンアート」は、マンションでの採用が増えている。マンションは、もともとタイル張りの外壁が多かったが、2008年の建築基準法の改正によって、はく落を防止するための10年診断が必要になったことや、価格の上昇などを受けて以前より採用のハードルが高くなっている。こうしたなか、塗り材でありながら石材のような雰囲気を出せる「ストンアート」に注目が集まっている。Rコーナーなどゆるやかなカーブがある建物にも使いやすく、目地の入れ方次第で、大板風、タイル風など自由に印象を変えることができる。
戸建住宅での採用も徐々に増えてきており、「他にはない新たな素材であり、遊び心のある外観づくりに最適」としている。