性能向上リノベーションを支える建材
新築住宅の価格が高騰するなか、中古住宅の性能向上リノベーション市場がいよいよ本格的に動き出している。
断熱・気密・耐震など基本性能を新築水準に近づけつつ、コストを抑えて住宅を再生できるこの手法は、今や新築に代わる現実的な選択肢だ。
性能向上リノベを成功させるためには、様々な建材を上手く組み合わせてつくる必要がある。
性能はもちろん、簡易に施工できる使いやすさなども重要なポイントだ。
性能向上リノベを成功させる、おすすめの建材を紹介する。
耐震性能と施工効率を両立したクロス下地合板
「地球樹Mクロス」
「地球樹Mクロス」は、クロス下地材でありながら耐力壁としても使用できる合板。植林木など循環資源を使用し、大壁床勝ち・入隅の両方で大臣認定3.7倍を取得しているため(12.5mm3×6、3×8)、環境への配慮と構造的な信頼性を兼ね備えている。特に性能向上リノベーションにおいて、壁下地をそのまま耐震補強に活用できる点が評価されている。また、業界で唯一となる3×8サイズをラインアップしており、縦継ぎが減ることでクロス仕上げのクラック発生を抑制。端材も出にくく、材料ロスを抑えると同時に、施工の省力化にも寄与する。厚さは9.5㎜と12.5㎜を揃え、用途や壁構成に応じた選択が可能。さらに2025年3月には、愛知建築地震災害軽減システム研究協議会より「耐震性を向上できる補強工法である」として技術評価され、評価認定書を取得。低コストかつ実用的な耐震補強建材としての実績が、第三者機関からも裏付けられた。下地材、耐力壁、仕上げ面の安定性を一枚で担う本製品は、新築・リフォームを問わず、住まいの性能を底上げする建材として注目が高まっている。
木部と土壌のW処理でシロアリ被害から住宅を守る防蟻工法
「eことアル工法」
「eことアル工法」は、木部と土壌に防蟻薬剤を処理し、Wの効果でシロアリ被害から住宅を守る防蟻工法。住宅の耐久性向上に関心が集まるなか、注目を集めている。木部にエコパウダーの「エコボロンPRO」を塗布することで、シロアリや腐朽菌にとって木部が栄養源でなくなり、被害を抑制する。近年被害が増えている、飛来して直接木部に入り込む外来種アメリカカンザイシロアリ対策にも有効だ。「エコボロンPRO」の有効成分のホウ酸塩は、揮発蒸発しないため居住者が吸入する心配がない。万が一口に入っても食塩程度の毒性しかないため安全性が高い。2019年にはキッズデザイン賞を受賞している。土壌には、シンジェンタ ジャパンの「アルトリセット 200SC」を散布。基礎断熱工法の断熱材から内部に侵入するシロアリ対策にも有効。「アルトリセット 200SC」も米国で低リスク殺虫剤として登録されているため、安全・安心だ。「eことアル工法」は認定施工士による責任施工で、品質確保の取り組みを徹底。居住者や環境にやさしく、安全性の高い防蟻工法で、住まいの耐久性向上に寄与する。

エコパウダー
048-928-1671
https://ecopowder.com/
意匠性と耐久性の向上を同時に実現するシングル屋根材
「オークリッジスーパー」
「オークリッジスーパー」は、洗練されたデザインと優れた耐久性を併せ持つファイバーグラスシングル屋根材。芯材に高耐久のガラス繊維を用い、地震や台風などの自然災害から住宅を守る。日本瓦の約1/4、スレートの約1/2という軽量性で、建物の耐震性向上にも寄与。表面はセラミックコーティングされた天然石で美しい発色が長持ちし、20年相当の試験でも退色がほとんど見られない。独自の「スーパーシーラント」によって屋根材を強固に接着し、最大瞬間風速50m/秒にも耐える高い耐風性能を実現。吸水率も約1%と極めて低く、防水性にも優れる。さらに、LCA(ライフサイクルアセスメント)におけるCO₂排出量が非常に少なく、環境負荷も低い。施工はリフォームにも対応し、屋根を残したままのカバー工法も可能。ライフタイムワランティーという長期製品保証(制限付)が40年以上付帯し、100年住宅時代にふさわしい屋根材として注目を集めている。戸建てリノベーションでは、住まいの性能とデザイン性を一新する素材として採用が広がっており、外観刷新と同時に資産価値の維持にも貢献する。

価格:材料のみ9,000円/ケース(税抜)


オーウェンスコーニングジャパン
03-6365-4300(代表)
https://www.owenscorning.jp/
既存住宅の省エネ化に貢献する高断熱仕様のリフォーム玄関ドア
「ノバリス 玄関ドア 高断熱仕様」
既存住宅の玄関ドアを手軽に高断熱化できるのが「ノバリス 玄関ドア」高断熱仕様だ。「ノバリス 玄関ドア」は既設の枠を残して新しい枠を取り付けるカバー工法によるリフォーム商品で、わずか1日で簡単に玄関ドアを取り替えることができるのが大きな特長。高断熱仕様は、厚さ60㎜の断熱材や気密材、結露の発生を大幅に抑える断熱樹脂を採用したことで、熱貫流率は1.33W/㎡・Kと優れた断熱性能を持つ。玄関ドアの改修に「ノバリス 玄関ドア」高断熱仕様を採用することで、簡単に玄関ドアの高断熱化が図れ、既存住宅の省エネ化に貢献する。補助事業の「先進的窓リノベ2025事業」のSグレードの対象製品だ。
シンプルでスタンダードなスリット採光デザインをはじめ、外観のテイストに合わせて選べる7デザインをラインアップ。カラーは木肌の絶妙な凹凸をリアルに再現した浮造り調の木調色など5色を揃える。スマートフォンを玄関のカギとして利用できる「e・エントリーSLタイプ(電池式)」を設定しており、スマートフォンのアプリから操作することで簡単に施解錠できる。

三協立山
0120-53-7899
https://alumi.st-grp.co.jp/
等級6・7水準を目指す性能向上リノベに最適な高性能グラスウール
「太陽SUNR」
太陽SUNRは、防湿層なしの“裸”の高性能グラスウール断熱材。寒冷地で多くのシェアを持つ「太陽SUN」のハイエンドモデルとなる製品で、断熱性能に優れ、床・壁・屋根の厚みはそのままに住宅全体の性能を高めることができる。新築だけでなく、等級6・7水準を目指すような性能向上リノベへの使用も最適な断熱材だ。
ラインナップも豊富で、密度20 kg/㎥で熱伝導率0.035 W/(m・K)の「太陽SUNR(SRJ)」と、密度38kg/㎥で熱伝導率0.032W/(m・K)の上位商品「太陽SUNR(SRG)」を揃える。加えて、この6月に密度28㎏/㎥で熱伝導率0.033 W/(m・K)で、2×4用の壁厚さに対応した「太陽SUNR(SRK)」も発売しており、さまざまな用途、ニーズに対応できる。ピンク色で視認性が高いこと、自立性や反発性に優れ、施工してもずり落ちの心配がないことなど、施工性に優れていることも大きな特長だ。
施工には、防湿気密シートの別張り施工が必要となるが、専用の可変調湿気密シート「太陽SUNR調湿すかっとシートプレミアム」といった気密関連部材も用意している。
見た目も機能もグレードアップできるカンタン取替窓
「取替窓 リプラス」
「取替窓 リプラス」は、今ある窓枠の上から新しい窓枠を取り付けることで、高断熱窓へ簡単に取り替えることができる窓リフォームの専用商品。新しい窓枠を取り付けるだけのため、1日※1でリフォーム工事が完了する。
ラインアップも豊富にそろえており、リビングから浴室まで対応できる。窓の種類を変更したり、窓のサイズを小さくすることも可能だ。
居室仕様TWタイプは、シリーズ最高グレードの断熱性能を実現した商品。トリプルガラスを採用したほか、熱伝導率が低い樹脂を挟んだサーマルブレイク構造の枠を採用したことで、「先進的窓リノベ2025事業」のSグレード対象となる熱貫流率1.5(W/(㎡・K))以下の断熱性能を実現している。また、4枚建合掌框はノイズレスなスレンダーマリオン構造※2を採用し、採光面積がアップした。
そのほか、マンションの戸別改修向けとして「リプラス マンション用」もラインアップ。防火取替窓引違い窓は、業界で唯一「先進的窓リノベ2025事業」のAグレード対象となっている。


LIXIL
0120-126-001
https://www.lixil.co.jp
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