New   2025.6.9

HOMMA、米国発の独自スマートホーム技術を日本展開

ビルトイン型で複雑な設定など不要に

 

米国シリコンバレーを拠点に建築とテクノロジーの融合を目指すHOMMA Groupは、独自に開発したビルトイン型のスマートホーム技術の日本での展開を本格化させている。

HOMMA Groupは、「未来の住生活を創造する」というミッションを掲げ、米国において独自のスマートホームテクノロジープラットフォームを開発し、その実用化にも成功している。この技術の実用化に向けて、カリフォルニア州で「HOMMA ZERO」、「HOMMA HAUS Waterside」といった戸建住宅を建築し、自社で開発したスマートホーム技術の実装を進めてきた。また、全18戸からなるタウンハウス型コミュニティ住宅「HOMMA HAUS Mount Tabor」をオレゴン州で建築し、高い評価を得ている。

加えて、米国で他社が開発した高層賃貸マンションに採用されるなど、米国内で実績を伸ばしている。米国で採用されてケースでは、通常の賃貸マンションよりも+6%の賃料収入を可能にした事例もあるという。

モデルルームで体感できるサーカディアンライティング。左の写
真が「ディナー」アクティビティで、右の写真が「バー」アクティビティ

テクノロジーで新たな暮らし価値を創造

同社のスマートホームテクノロジープラットフォームは、ビルトイン型になっており、スマートスピーカーを活用し、照明やエアコンなどを個々に接続していくシステムとは一線を画している。

延床面積100㎡、2LDKの住宅であれば、約60個のセンサーを含むIoTデバイスを住戸内に組み込んでいき、入居者の行動に合わせて自動で照明や空調、ブラインド、施開錠などをコントロールする。

なかでも照明については、サーカディアンライティングの考え方を取り入れ、自然の昼夜サイクルに基づきながら、自動で照度と色温度を調整し、より健康・快適な住環境づくりに貢献する。

専用のアプリを活用し、「映画をみたい」、「バーのようにお酒を飲みたい」といったシーンに合わせた照明設定にカスタマイズできる。カスタマイズした照明設定は、アプリからだけでなく、壁に埋め込まれた専用のコントロールパッドでON・OFFの制御を行うことが可能だ。

それぞれの機器の設定などは全て同社が行い、遠隔でデータなどを確認しながら故障時のアフターサービスなどにも迅速に対応する。それぞれの機器を制御するコンピュターは、エッジコンピューティングを活用し、ネットワーク環境が遮断されても問題なく使用を継続できるよう配慮している。

さらに、使用データを利活用することで、例えば高齢者の異常をいち早く検知するといったことも可能で、「カメラなどを利用せずに居住者のプライバシーも確保しながら見守り機能などを付与することもできる」(本間毅代表取締役)という。

同社では、米国だけでなく日本での事業展開を開始しており、スマートホームテクノロジープラットフォームが提供する暮らしを体験できるモデルルームもオープンしている。既に国内の物件での採用事例も出てきており、「とくに高級レジデンスなどで新たな付加価値として採用したいという声が高まっている」(本間代表取締役)という。