日本ノボパン工業、桁上水平構面用パーティクルボードを開発
屋根面の気密を確保しやすく上位等級の家づくりに最適
木造軸組工法の桁上水平構面の耐力面材として使用できるパーティクルボード「novopan ATC」を開発した。屋根面の断熱として桁上断熱工法に最適で、気密性を確保しやすくなる。
気密を確保しやすい桁上断熱に注目
住宅の高断熱化を進めても、気密が確保されていなければ冷暖房効率が低下する。一般的に住宅の性能が上がるほど、少しでも隙間があれば、結露を引き起こすリスクは高まるといわれている。
こうした前提がある中で断熱等級6・7水準の上位等級の家づくりに取り組む住宅事業者の間で、屋根面の断熱性能確保の方法として、気密性能が確保しやすくなると「桁上断熱」が注目されつつある。
屋根面の断熱として、天井の屋根裏に断熱材を水平になるように設置する「天井断熱」、また、屋根の勾配に沿って断熱材を設置する「屋根断熱」の大きく二つに分けられる。
これらに対して「桁上断熱」は、屋根裏に面材で床をつくり、その上に防湿層と断熱材を施工するため、面材、防湿層が気流止めの役割を果たし、気密性能を確保しやすくなるため、ここにきて注目度が増してきているのだ。
一方で、これまで屋根面に面材を張ることは、ほとんどないのが実情だという。
法的な位置づけでは、「床組及び小屋ばり組の隅角には火打材を使用」(建築基準法施行令第46条第3項)となっている。隅角に火打ち材の施工は必須となっているが、必要壁量のような基準は設けられていない。
一方で、小屋裏にロフトなどを設ける場合に耐力面材を施工して床をつくることがある。
また、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において、耐震等級2・3を確保するため、水平構面の必要耐力を確保する際の手段の一つとして屋根面に床を設けることがある。しかし、告示で示された床構面の仕様は、「構造用合板24㎜以上、根太なし直張り川の字打ち、N75@150以下」で床倍率3倍など、ラインアップに限りがあった。
24㎜合板まではいらない
要望を受けて新開発

上位等級の家づくりに取り組む住宅会社からの「屋根面の気密確保の観点から、桁上断熱を推進したいが、小屋裏利用はしないから24㎜合板まではいらない」という要望、また、高耐震住宅に取り組む上で「品確法の耐震等級2・3を確保するため屋根の水平耐力を上げたい。桁上に水平構面が必要」といった要望を受けて、新たに日本ノボパン工業が開発したのが「novopan ATC」だ。
(公財)日本住宅・木材技術センター(HOWTEC)の木造建築新構法認証を得た木造軸組工法の桁上水平構面の耐力面材として使用できる厚さ12㎜のパーティクルボード(JIS A5908)で、床倍率3.4倍、許容せん断耐力6.7kN/mを確保することができる。パネル規格は、幅908㎜、長さ1818㎜。合板に比べてローコストで、1枚当たりの重量は約15㎏と軽く、施工しやすいように施工ガイドも印字している。