2024.7.25

(一社)住宅開口部グリーン化推進協議会、独自資格のグリーン診断士を25年度にスタート

CO₂出力用計算ソフトの作成にも注力

(一社)住宅開口部グリーン化推進協議会(AGW)が総会を開催、今年度の方向性をまとめた。さらなる開口部断熱の普及に向けて、資格制度の設立やCO₂計算ソフトの作成を進める。

6月28日に開催した総会で23年度の実績報告と24年度の活動方針を明らかにした。

23年度は、会員が活用できる提案書の作成や、会員へのアンケートの実施とその結果を踏まえた政策提言、環境省との連携よる補助事業が地方創生、雇用促進につながっているかのアンケートの実施などを行った。

AGW会長の松本浩志氏(左)と、事務局長の山岸史成氏(右)

24年度は、流通委員会での活動を重点施策に置く。流通委員会は、主に住宅グリーン化に資する住宅部品・部材の流通事業者(専門施工事業者)からなるA会員で構成される中核組織で、現在、東地域部会と西地域部会に分かれている。流通委員会に所属する企業は自治体のイベントなどに参加し、各エリアで行政へのアプローチを行う。「会社の大小は関係なく、同じ方向を向いて活動していただける方に参画していただいている」(山岸史成事務局長)としており、23年度には、新たに12社を副部会長として任命、その後も増加を続け、総会を開催した6月28日時点で副部会長の数は計26社となっている。この流通委員会における各エリアの副部会長を拡大し、50名体制にしたい考え。

流通委員会での注力事業として進めるのが、独自資格制度「グリーン診断士」(仮称)の準備だ。「グリーン診断士」(仮称)は、窓を改めて体系的に学び価値を伝えられるようにする資格。現在、窓業界は補助事業により内窓が大きく広がりつつある。内窓に関しては他業界からの参入も相次いでいるなか、ガラス店、サッシ店は、窓の設置場所や大きさに応じた内窓+αの知識や提案力がより重要になってくるとし、専門性を生かして提案力を強化できるような内容にする予定だ。秋から流通委員会の部会長、副部会長の店舗でプレ研修を開始し、25年度の全国展開を予定する。

脱炭素社会の実現へ向けて
CO₂出力用計算ソフトの用意も進める

一方で、住宅開口部の断熱化による環境への効果の見える化を行うための取り組みとしては、CO₂出力用計算ソフトの作成が佳境に入っている。23年度に省エネ法で用いられる建研WEBプログラムでのCO₂節減効果試算の方向性を決定しており、同協会設立時の効果試算と比較し妥当性の検証を進めている。24年度は、これらを基に計算マニュアルの作成や、成果を指標化するデジタルコンテンツの製作などを行う。

加えて、引き続き政府に対して、補助事業についての提言・要望を行う予定。補助事業の継続を要望するほか、会員へのアンケート結果から、申請の簡略化や、シャッター、シェードなど遮熱商品、地方などで需要があるより大きな窓に対応できるLLサイズなどを補助対象に追加してほしいという要望が出ており、反映させたい考え。「昨年度の補助事業の実績は約24万戸であるが、改修の対象となる1枚ガラスの窓を採用する住宅は1600~1700戸存在しており、まだまだ普及の余地がある」(松本浩志会長)と、補助事業の継続が、住宅断熱化の普及を後押しすることを期待する。