パナソニック ハウジングソリューションズ、樹脂サッシで内窓市場に参入
省施工を強みに5年後シェア10%を目指す
パナソニック ハウジングソリューションズが7月8日に「内窓」を発売した。同社が窓商品に携わるのは今回が初であり、施工性などを訴求し5年後に10%のシェア獲得を目指す。
リフォーム用二重窓「内窓」の販売を開始した。近年、脱炭素社会へ向けた取り組みが様々な場面で行われているが、同社はこれまで住宅の躯体性能の向上に寄与する商品の取り扱いが少なかった。そうしたなか、熱の損失、流入の大きい開口部で、同社の得意分野である内装建材の観点から取り組める商材として内窓の販売に踏み出した。樹脂サッシで、ガラスはLow-E複層ガラス(アルゴンガス入り)、Low-E複層ガラス、一般複層ガラス、安全合わせ複層ガラスを用意。単板3㎜のアルミサッシの外窓の内側に一般複層ガラス仕様の内窓を設置することで、Uw値2.33W/(㎡・K)以下の断熱性能を実現できる。
パナソニックの「内窓」の最大の特徴は、奥行き55㎜とスリムなフレーム設計で、サッシ店だけでなく工務店などの大工工事でも窓リフォームが行える施工性のよさにある。企画当初から商品開発の軸に置いて取り組んだ。スリムフレームを生かし、窓枠寸法が最低57㎜あれば、ふかし枠無しで施工できるため「他社ではふかし枠が必要な場所にふかし枠無しで取り付けられることが強み」(外廻りシステム事業部 商品企画部 外廻り建材商品企画課 黒田久美子課長)となっている。同社製品は、サッシ工事店でなくても現場調査から施工までを行えるため、近年需要が増えている工務店などによる簡易リフォームにも対応できるとし、まずは既存の建材ルートでの流通を考えている。
また、カラーにもこだわった。「グレイッシュベージュ」、「ダークグレー」といった独自カラーを含む、内装建材と組み合わせやすいカラーを4色で展開する。
一部部品などを滋賀県米原工場で製造し、主に雨樋などを製造する栗東工場(滋賀県)で完成させる。開発面でも、ゼロからスリムフレームの内窓を開発することが難しかったなかで、雨樋の押出の生産技術を持っていたことが実現につながったという。
樹脂サッシメーカーのエクセルシャノンと連携して開発
5年後までにシェア10%を目標に
パナソニック ホールディングスは20年に樹脂サッシメーカーのエクセルシャノンの発行済株式の49%を取得、23年7月にはこれを66%へ引き上げ、連結子会社化しているが、同社グループの中でも、住宅設備・建材を扱うパナソニック ハウジングソリューションズがその管掌役となっている。その流れで、数年前から両社は商品開発にあたって、お互い協力しあっており、「内窓の開発においても技術的な部分で協力を得ている」(黒田課長)そうだ。ちなみに、エクセルシャノンが23年に発売した高性能樹脂窓「シャノンウインドNS50トリプル」の開発も両社で連携して取り組んだという。
また、同社は今後、遮音性能の高い内装ドアなどの建材の商品販売も視野に入れており、断熱だけでなく住宅の遮音性能の向上という側面からも内窓を、提案していきたい考えだ。5年後に内窓のシェア10%を達成することを目標に、販売拡大を目指す。
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