(一社)プレハブ建築協会、積水ハウス仲井社長が新会長に就任
「住生活向上推進プラン2025」を進め良質なストック形成へ
第12回通常総会を開催、積水ハウスの仲井嘉浩社長が新会長に就任した。また新副会長にパナソニック ホームズの藤井孝社長が就いた。良質なストック形成に向け「住生活向上推進プラン2025」を着実に進める。
令和5年度の新設住宅着工戸数は80万戸(対前年度比7%減)で、うち持家22万戸(同11.5%減)、貸家34万戸(同2%減)、分譲23.5万戸(同9.4%減)となった。このうちプレハブ住宅は、全体10.1万戸(同10.2%減)で、持家2.7万戸(同16.1%減)、貸家6.7万戸(同8.6%減)、分譲0.6万戸(同19.1%増)となった。2024年に入っても住宅着工は弱含みで推移している。
仲井新会長は、「当協会が取り組む『住生活向上推進プラン2025』は、『良質なストックの形成』が一番の大きな柱となっている。当協会は、工業化住宅のメーカー、工業化住宅に関する部材の供給開発をする会社などが集まっている団体であり、良質なストックの形成に向け一番力を発揮できると考えている。また、工業化住宅のもう一つの特徴、リードタイムが短く、短工期であることも、労働力不足の時代に非常に求められている。応急仮設住宅という緊急性を要する建築においても力を発揮できる。『住生活向上推進プラン2025』をきっちりと推進し、良質な上質な住宅ストックの形成に貢献し、プレハブ建築、工業化住宅の普及促進に努めていきたい」と挨拶した。
住宅部会、規格建築部会、PC建築部会の3部会からは、昨年度の実績などが報告された。住宅建築部会では、環境活動において、戸建て共同住宅のZEH化、長期優良化、また、ストック住宅の断熱、省エネリフォームの推進により1次エネルギーの消費量削減を目指す。さらに、関連業界団体との勉強会を継続して、サプライチェーン全体でのCO2の削減にも取り組む。災害対策については、緊急時の連絡体制や災害対応マニュアルの更新など、大規模災害に備えの構築を進める。人材育成については、各種セミナー、シンポジウムなどを通じて、先進事例の紹介、各種講習を実施。優秀な大工技能者の育成にも取り組む。住宅部会長に新たに就任した積水化学工業の吉田匡秀住宅カンパニープレジデントは、「これらの活動を踏まえて、任期中に予定されている次期住生活基本計画に対応した『住生活向上推進プラン2030』の策定に結びつけていきたい」と挨拶した。
規格建築部会は、2024年1月に発生した能登半島地震へ対応、発災後11日後に第一弾の団地で工事着手した。総数102カ所4284戸の建設要請を受け、5月末時点で約3800戸を引き渡した。建設設置型応急仮設住宅の約7割を斡旋したことになる。規格建築部会の森田俊作部会長(大和リース会長)は、「平時より協定に基づく都道府県自治体との連携強化、応急仮設住宅へのDX技術の活用拡充や、設置完了型簡易仮設住宅の開発など一刻も早く実現し、自然災害に常に備える体制を取れるよう進めていく」と述べた。
PC建築部会のPC部材品質認定事業では、昨年度N(T)認定3工場、N認定31工場(新規含む)、H認定6工場(新規含む)の審査を行った。現在国内で84工場、海外では2工場が稼働。新規認定の申し込みは4工場あり、事前審査を実施した。その他に、既設の25工場の調査を行い、信頼できる品質のPC部材を継続的に供給できる体制を確認した。再任したPC建築部会の加藤茂裕部会長(トヨタT&S建設社長)は、「PC工法に関わる場づくりと人づくりを推進し、PC技術の進化と継承を図ることで、建築業界からの期待に応え、需要拡大に繋げていきたい」と述べた。
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