フルリノ、リノベしたい施主と工務店のマッチングプラットフォーム
人や価値観重視のサイトづくりで地域工務店を輝かせる
リノベに特化し、施主と事業者をマッチングする検索ポータルサイト「フルリノ!」を開設した。マーケティングが苦手な中小企業の掘り起こしを目指す。
フルリノ(兵庫県神戸市、開原崇友代表取締役)が24年3月1日より開始した「フルリノ!」は、リノベーションを行いたい施主と、良質なリノベーション事業者をマッチングする検索ポータルサイトだ。
市場の冷え込みが激しくなるなかで、新築住宅購入のハードルはかなり高くなっている。そんななか、注目を浴びているのがリノベーションだ。特に、一次取得者層の20~30代の価値観として、ヴィンテージ商品に慣れ親しみ、住宅のリノベに対しても前向きな姿勢の人が多いとされている。
一方で、リノベにあたって施主が施工業者を探す方法は、不動産会社からの紹介や大手リノベ会社への依頼が多い。開原社長は「リノベの際に会社を選ぶ選択肢が少ないと感じた。特に、地域の工務店などでこだわりを持って事業を行っている会社にスポットが当たらないのはもったいない」という思いから、「フルリノ!」のサービス提供へ乗り出した。地域の工務店などの中小企業には、マーケティングやブランディングを苦手とする会社が多く、施主に対して、高い技術力や熱い想いをアピールしきれていないことが課題だが、「フルリノ!」ではリノベに取り組む住宅事業者が簡単に自社のアピールをすることができる。
人物に焦点を当てた紹介ページで自分に合ったリノベ会社と出会う
住宅事業者は、同サービスを利用して、自社の紹介ページ作成、リノベ事例の掲載、ストーリーズ(ブログ)の更新をすることができる。編集画面にはテンプレートが用意されており、「この会社の特徴」、「空間づくりへの想い」といったテーマに沿って文章を書き込むことで紹介ページが完成する。自由に更新ができるストーリーズについても、フルリノ側でいくつかテーマを用意し、更新を促す。掲載費は月額5万円。施主から問い合わせが来た際には直接やりとりができる。
リノベーションを検討する施主は「フルリノ!」を利用することで、施工事例の保存や工務店のフォローができ自分の価値観に近い工務店を探せる。マージンや広告費の上乗せがないため、適正な価格で質の高い工事を依頼できる。
サイトは写真を大きく掲載し、工務店の世界観を前面に押し出す。「これから家づくりをしようとする施主にとって大切なのは性能よりも、信頼できる住宅事業者かどうか、その事業者が普段どんな家づくりをしているかではないか」(開原社長)との考えからだ。
登録ユーザー数はサービス開始から約3週間の3月22日時点で約350件、事業者からは週に5件程度の問い合わせがあるという。登録できる工務店は同社が厳選、将来的には品質確保のため審査基準を設けることも視野に入れる。
今後は、イベントの情報発信なども行えるようにする予定だ。4月末までに登録した事業者は、有料オプションのライティングと写真撮影の依頼、初期費用が無料になる。
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