2024.2.20

ポラスグループ 中央住宅、共用路地で敷地を有効活用した街づくり

インテリア産業協会会長賞を受賞のコーディネートも

敷地条件や接道条件から、閉鎖的な区画割りとなっていた計画を見直した「フレーベスト秋津 OKUNIWA」の街づくりが好評に。分譲地ではインテリア産業協会会長賞を受賞したモデルルームも展示している。

住宅の間に広場や木立を含む共用路地を設けることで、敷地を有効活用し、コミュニティの醸成を図る「フレーベスト秋津 OKUNIWA」(東京都東村山市)を分譲中だ。同分譲地は、建ぺい率40%、容積率80%の第一種低層住居専用地域であり、第1種高度地区で1:0.6の北側斜線制限がかかる。こうした敷地条件や、接道状況などから手前住戸と敷地延長住戸を1セットとした区画割りが連続するような計画となっていた。しかし、当初計画のままではコミュニティが生まれず、住居と境界の間の空間が未利用地化する懸念があった。そのため、同社で区画割りや配当計画を見直し、敷地の境界部を拠出しあった部分や軒下の外壁周縁部に設けられる犬走部を、街区全体の共用路地とすることで敷地を最大限活用した。

「インテリア産業協会会長賞」を受賞した「表と裏」はリビングとダイニングを異なる雰囲気でプランニングした

共用路地には「広場」、「木立」、「テラス」の3つのゾーンをつくり、コミュニケーションの創出を図る。「広場」にはモミジやヒメシャラなどの紅葉する樹木を植え、季節を感じられる場所にする。分譲地の奥まった場所で車が通る心配がないため、子どもが遊んでも安心だ。「木立」は、常緑樹や実のなる木に囲まれた天然石敷きの小径で、緑道化によるヒートアイランド現象の抑制効果も期待できる。「テラス」は、向かい合う住宅の玄関ポーチやテラスを、小径を挟むように計画。舗装材に連続性を持たせることでゾーン全体をテラスのような雰囲気にまとめた。足元には草花やハーブを植え、香りを楽しめるようにした。

また、今回の分譲住宅では同グループとしては珍しい2×4工法を採用しているが、これにより、在来工法に比べ軒高を約50㎝抑えることができ斜線制限の緩和に役立つことや、(独)住宅金融支援機構が定める省令準耐火構造の対象となるといったメリットがある。

住宅プランは、リビングに一段高い空間を設けた「GALLARY」、リーディングルームのある「LIBRARY」、家事室など様々な用途で使用できるマルチルームを用意した「UTILITY」の3つ。このうち、「LIBRARY」のモデルルームはグループ会社の住宅資材センター(埼玉県越谷市)インテリア部の須藤歩主任がインテリアコーディネートを行っており、(公社)インテリア産業協会の主催する「令和5年度住まいのインテリアコーディネーションコンテスト」の事例分野で、インテリア産業協会会長賞を受賞した。

受賞作品である「表と裏」は、一体のリビングとダイニングを分けてプランニング。リビングは木目調のフローリングに、床と天井はシナ合板を採用した明るい雰囲気に、ダイニングはダークカラーを基調とした落ち着ける空間にした。

リビングとダイニングのデザインの使い分けはモデルルーム以外の「LIBRARY」プランにも採用されている。価格は5790万~6590万円。23年9月8日から販売を開始しており、24年1月22日時点で、全11棟中6棟が成約済みだという。