朝日ウッドテック、銘木無垢・挽き板内装ボードを12月に発売へ
水回りにも上質な木質空間を提案
2023年度グッドデザイン賞を受賞した銘木無垢・挽き板内装材「WOODRIUM」の販売を12月から開始する。「強化塗装」の設定などで耐水性も向上、洗面のカウンタートップなど水回りにも銘木無垢の木質空間づくりを提案していく。
かねてより展示会などで紹介してきた銘木無垢・挽き板内装材「WOODRIUM(ウッドリウム)」の販売を12月から開始する。
「WOODRIUM」は、芯材の表面に2㎜厚の無垢・挽き板を張り合わせたボード材「WOODRIUM内装ボード材」を中心に構成する内装商品シリーズ。表面材には、ブラックチェリー、ハードメープル、ブラックウォールナット、オークの4樹種を用意し、同社が販売する無垢・挽き板フローリング「Live Natural Premium」との統一コーディネーションを可能にした。
「この先の新設住宅着工戸数の減少を考えたとき、内装材メーカーとして生き残るためには、空間全体の価値を向上させていく取り組みが必要になると考えた」(海堀直樹代表取締役専務)といい、これまで同社がフローリングの製造で培ってきた挽き板の加工技術を広げる目的で開発した。
「WOODRIUM内装ボード材」の最大の特徴は、塗装の工夫で水回りでの使用に対応したことだ。塗装は、ウレタン塗装による「スタンダード塗装」と「強化塗装」の2種類を設定。「強化塗装」は「スタンダード塗装」よりも膜厚を2.5倍(膜厚100µm程度)にしたもので、これにより耐水性をさらに強化。木材への水の染み込みを抑制し、水分による腐食や寸法変化などを抑えることでキッチンサイドやワークトップ、洗面化粧台のカウンタートップなどでも安心して使用できるようにした。
これまで木を使う発想がなかった場所にも銘木無垢の価値提案ができるようになり、本物の木の質感が感じられる空間コーディネートの幅が広がる。
また、生産面にも特徴を持つ。ボード1枚当たりの最大サイズは幅1050㎜×長さ2700㎜×厚さ27㎜であり、幅と長さについては、この範囲内であれば注文ごとに1㎜単位での生産に対応。顧客の要望に合わせて提供する。
さらに、デザイン面では、側面の見付材に表面材と同樹種の無垢・挽き板材を採用し、木目方向を合わせて使うことで全体が無垢材で構成されているかのような高い意匠性を実現。側面加工も怪我のリスクを低減する丸みを帯びた形状など様々なタイプを用意した。
そのほか、木材資源の循環利用の観点から芯材には計画植林木を使用した。樹種は他木材よりも軽いという特徴があるラジアータパインを採用しており、一般的なオークの無垢集成材ボードと比較して20~25%ほどの軽量化に成功したことで、配送時や施工時の負荷を低減した。
ラジアータパインはニュージーランドやチリ原産の樹種だが、今後は国産材活用促進の観点から、スギやヒノキ、カラマツ、トドマツなどの計画森林木も芯材として利用していきたい考え。まずは顧客のニーズや各樹種のスペックを確認し、検討していく方針だ。開発・改良を進めながら、2029年に3000枚/月の販売を目指すとした。
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