シナネン、工期を大幅に短縮する木造アパート向け玄関防水パン
サイズ調整のしやすい敷き詰めタイプの開発も
シナネンは通常3~4日程度かかる玄関の防水工事を、置くだけの簡単施工で大幅に効率化する商品「住宅用防水 玄関パン」を販売している。今後は新商品展開も予定しており、市場拡大を目指す。
「住宅用防水 玄関パン」は、木造アパート向けに作られた玄関用防水パンだ。シナネンは、1995年より洗濯機防水パンを発売し、洗濯機防水パンでの国内シェアは4位となっている。そして、洗濯機防水パンの技術を生かして、商品化したものが「玄関パン」である。
通常、木造住宅の玄関床は防水、下地、表面仕上げの3工程をそれぞれ別の専門業者が施工するため、3日~4日かかることが多い。また、防水工事において一般的な湿式工事では、乾くまで住居内に入れず工事が進まなかったり、乾く前に工具を落としてしまったりという懸念がある。一方で玄関パンは、玄関土間に合わせて接着剤で貼りつけるだけで施工が完了。施工時間、コスト低減のほか、施工技術がいらないため職人不足にも貢献する。木材と同様にのこぎりなどで加工ができ、三方に立ち上がりがあるトレイ形状で高い防水性を確保。角部に丸みを持たせることで角に溜まりやすい埃や水を取り除きやすくなっている。そして、最大の特徴が、洗濯機防水パンのプレス技術を活用し、1㎝の厚みを持たせた樹脂下地だ。落下物などへの耐衝撃性や防音性に優れ、例えば、防音性では合板下地に比べ足音などの音を15%程度削減できる。
敷き詰めタイプの新商品販売も検討
2025年までに総販売数1万枚を目標に
同社は10年以上前にハウスメーカーからの要望で、専用品として同様の玄関パンを取り扱っていたが、当時は表面に床材シートを使用しておらず、意匠性の面から廃版となった。そこで、東リと共同してプラスチックの防水パンの上に床材シートを一体成型したものを新たに開発。東リの床材シートの多彩なデザインを玄関に採用でき、抗ウイルスなどのオプション品も取り扱う。下地の樹脂と床材シートを同時成型する技術は、長年にわたり洗濯機防水パンを製造している同社だからこそできたものだといい、現在、日本国内特許を申請している。
また、玄関パンは定型サイズでの展開となっているためサイズ合わせが難しいとの声があるなか、パネルを敷き詰めて防水が取れる新商品の開発を進めており、24年1月の発売を目指している。新商品は玄関以外にも問い合わせのある脱衣場やベランダなどで使用可能なものを検討している。今後は、リノベ市場へも拡大していきたい考えで「商品の認知度拡大を図り、2027年までに既存の玄関パンと新商品を合わせて1万枚の販売が目標」(住宅プロダクツ営業部 山崎部長)とした。
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