(一社)プレハブ建築協会、分譲のZEH率が注文を上回り82.4%に
目標を見直しカーボンニュートラル行動を加速
プレハブ建築協会は「住生活向上推進プラン2025」の2022年度実績を公表。注文住宅に比べ出遅れていた分譲住宅のZEH率は82.4%に達した。目標を見直しカーボンニュートラル行動を加速する。
「住生活向上推進プラン2025」(2021年~2025年)の調査対象は、住宅部会20社のうち、環境分科会参加の7社。2022年度の対象供給面積は戸建が前年度比9.0%減の493.8万㎡、集合が同3.1%増の396.9万㎡。
住宅性能評価の設計・建設性能評価取得率については、戸建住宅85%、共同住宅10%という成果管理指標目標(2025年度)を設定。ちなみに市場全体での平均は戸建住宅で28.2%。2022年度実績は、戸建住宅の設計・建設性能評価取得率はそれぞれ86.4%(前年度86.1%)82.9%(同82.9%)、共同住宅の設計・建設性能評価取得率はそれぞれ7.3%(同6.0%)17.9%(同9.7%)となった。
戸建住宅におけるZEH供給率【注文+分譲】(※Nearly ZEH以上)80%、居住段階における一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む)基準建物比100%削減という目標に対して、実績はそれぞれ79.3%(前年度比12.4ポイント増)、81.9%削減(同7.0ポイント増)。ZEH供給戸数は3万663戸、内訳は注文が2万6986戸、分譲が3677戸。8割強を注文が占めるが、注文に比べ出遅れていたZEHが注文(78.9%)を上回り82.4%に達した。「1年前からZEHビルダーのフェーズ2がスタートし、建売りも含めて2025年度までにZEH化率75%以上という目標が設定され、本気でやっていかなければいけないとスイッチが入った。各社、注文でZEH供給を続けてきて商品に標準化されている。建売への展開も障壁なく容易に進められた」(同協会)。戸建については、等級5(強化外皮基準)相当以上の住宅が86.1%(同6.6ポイント増)、太陽光発電のセット率は初めて8割を超え、82.8%(同11.8ポイント増)に達し過去最高となった。HEMS(76.1%)、蓄電池(37.4%)ともに設置率は過去最高となった。低層集合住宅におけるZEH-M供給率25%、居住段階における一次エネルギー消費量削減率(再エネ含む)基準建物比50%削減の目標に対して、実績はそれぞれ15.7%(同11.4ポイント増)、44.2%削減(同12.4ポイント増)となった。
ストック住宅断熱・省エネリフォームによる一次エネルギー消費量削減貢献量を2020年度比15%増とする目標に対して実績は27.1%増となった。工場生産のCO2排出量(総量)を2013年度比で40%削減するという管理指標に対して実績は63.2%減(同24.5%減)、工場における再エネ電気の利用率30%という目標に対して実績は67.8%(同27.6ポイント増)となった。
2022年度の実績を踏まえ、目標の引き上げも行った。戸建のZEH供給率を80%から85%へ、ストック住宅断熱・省エネリフォームによる一次エネルギー消費量削減貢献量を15%増から30%増へ、工場生産のCO2排出量(総量)を40%減から65%減へ、工場における再エネ電気の利用率を30%から70%へと見直した。加えて、2022年度に同協会などの要望により、低層賃貸集合住宅における長期優良住宅認定基準が改正されたことを踏まえ、低層共同賃貸の長期優良住宅認定取得率10%(市場平均は0.5%)という新たな目標を設定した。
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