ニチコン、狭小敷地でも設置しやすいV2Hシステム
外部FANレス、軽量化で壁掛けが可能に
外部FANレス、軽量化などの改良で実用性を向上させたV2Hシステムの新商品を発表した。土地の狭い日本の住宅で採用しやすいよう設置自由度を大幅に向上させ、市場拡大を狙う。
ニチコンは、V2Hシステムの新商品「EVパワー・ステーション VSG3-666CN7」を24年3月に発売する。同商品は、敷地の狭い日本の住宅でも設置しやすいよう、小型・軽量化を図った。軽量化したことで、新たに壁掛け式もラインアップする。
従来モデルはパワーユニットとプラグホルダが一体となり、809㎜×337㎜×855㎜(幅、奥行き、高さ)、重量が91kgだった。一方で新商品は、ガレージと住宅が離れている場合などでも設置しやすいよう、パワーユニットとプラグホルダをセパレート。パワーユニットは470㎜×200㎜×620mm(同)、プラグホルダは壁掛け式で160㎜×160㎜×355㎜(同)となっており、58%減の軽量化に成功した。
この小型・軽量化を可能にしたのが、コンデンサ(C)とコイル(L)で共振動作をさせるCLLC双方向コンバータを用いた新しい電力変換回路と、独自の制御技術を組み合わせた新回路システムの採用などによる充放電効率の向上だ。「住宅と自動車の双方向へ充放電を行うV2Hシステムは、一定の電圧を維持することが必要だが、電力の品質を保ちながら効率を上げるのはとても難しい。そんななか、軽負荷時でも従来モデルに比べ約10%の効率アップを実現したことは新商品のポイントのひとつ」(同社)としており、高効率化したことにより、発熱量が抑制され外部FANをなくすことができた。小型・軽量化の実現だけでなく、静粛性の向上や、密閉性が高まったことで重塩害品(オプション)の展開も行う。
また、一般家庭用分電盤のなかに設置できる小型の自動切換開閉器を開発したことで、V2H専用分電盤が必要なくなり、設置スペースが削減できるほか、停電を感知すると自動で車両から住宅への給電を開始する。カラーはこれまでのシルバーにブロンズを加えた2色展開で、住宅の外観に合わせて選択できる。保証期間は10年間。
EVレディパワコンも新発売
V2H事業の拡大に注力
同社は、2012年に世界で初めてV2Hを実用化して以降、日本国内のV2Hシステムのシェア90%を誇る。EV普及に合わせ、V2Hシステムの市場も拡大を続けている。こうしたなか、武田一平会長は「現在、コンデンサ事業と、蓄電システムやV2H商品を扱うNECST事業で売上比率は6:4だが、これを2025年には5:5にさらにその翌年には4:6に持っていきたい」と、NECST事業の拡大を目指す姿勢を見せた。
24年1月には蓄電池やV2Hシステムと連携できる太陽光パワーコンデショナーの発売も予定しており、さらなるNECST事業の強化を図る。
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