2023.11.7

ポラスグループ、体感すまいパーク朝霞をオープン 埼玉南西部で注文住宅事業を強化

注文住宅のモデルハウス4棟を展示する「体感すまいパーク朝霞」をオープンした。
埼玉県南西部の市場開拓の拠点となる施設で、初年度100棟の受注を目指す。

ポラスグループで注文住宅を展開するポラテックとグローバルホームが「体感すまいパーク朝霞」(埼玉県朝霞市)をオープンした。

「体感すまいパーク」は、グループの注文住宅のモデルハウスを複数建設した宿泊体験型の単独展示場で、”探せる・試せる「家づくりのぜんぶ」”がコンセプト。住宅取得を土地探しからサポートし、モデルハウスに宿泊体験できることも大きなポイントだ。これまで船橋(千葉県)、柏(千葉県)、東浦和(埼玉県)、越谷(埼玉県)の4拠点を展開してきており、総合展示場に比べて高い集客力や受注力、また、地域のブランドイメージ向上などに大きな成果を上げている。例えば、2022年1月にオープンした「体感すまいパーク越谷」は、同社の本社が所在する越谷市のパークということもあるが、来場者数は3カ月間で300組以上。展示場の集客が厳しくなるなか「総合住宅展示場で、一カ月の来場が100組を超えることはまずありえない」(ポラテック木造建築事業部・橋本裕一取締役事業部長)と大きな集客力を持つ。ウェブなどであらかじめ調べ、吟味したうえで「体感すまいパーク」を訪れるユーザーであることから、受注率も非常に高いという。

5カ所目となる「体感すまいパーク朝霞」は、総面積1391・64㎡、総工費7億7000万円(土地代含む)。ポラテックの「PO HAUS ARZILL」、「PO HAUS 和美庵」、「北辰工務店」の2ブランド3モデルと、グローバルホームの「HaScasa」の計4モデルを展示し、すべてのモデルに宿泊体験が可能なことが大きなポイントだ。都市型、屋上リビング、ペット共生など、ポラスグループの技術を生かした、それぞれのブランドならではのコンセプト、提案が行われている。

4つのモデルは、ユーザーニーズが強い面積帯に合わせた「リアルサイズ」で、延べ床面積はすべて30坪台で提案している。また、建築費もPO HAUSが70万円台/坪、北辰工務店が55万~60万円台前半/坪、HaScasaが70万円台/坪を目指して建築された。通常の総合展示場でみられる豪華なモデルハウスとは一線を画し、多くのユーザーにとってイメージしやすいモデルハウスとなっている。

来場者目標はオープン3カ月で300組以上、受注目標は初年度約100棟を目指す。「体感すまいパーク越谷」の3カ月間の来場者数はおよそ300組であり、同社のお膝元である越谷のパークと同程度の集客目標にポラスグループの同市場に対する期待と意気込みがうかがえる。

「体感すまいパーク越谷」は越谷市と協定を結び、有事の際、帰宅困難者の一時受け入れ施設、一次避難所として機能する。「体感すまいパーク朝霞」も国道254号線、いわゆる川越街道に面しているという立地の良さを生かし、さまざまな形で帰宅困難者や被災者の受け入れを行えるようになっている。

周辺4市の開拓の拠点
練馬区や板橋区からの集客も

朝霞市は埼玉県南西部に位置し、「体感すまいパーク朝霞」は、同市周辺の志木市、和光市、新座市をあわせた4市を主な市場とする。このエリアは、東武東上線、副都心線、東急東横線、有楽町線などが乗り入れており、人口流入が活発な市場性が非常に高い地域。ポラスグループでは、これまでも新座市の総合展示場に出展するなど同エリアの開拓を進めてきたが、「体感すまいパーク朝霞」は東武東上線沿線で初の出展となる。「待ち望んだ埼玉南西部への出展。注文住宅の受注が見込める地域であり、このエリアに移り住みたいと考える方に、まず足を向けていただいて、検討いただける場所になるのではないか」(橋本事業部長)と、満を持して同エリアの本格展開に注力する。

加えて、4市のみならず隣接する練馬区、板橋区からの集客も進める。例えば、練馬区の総合住宅展示場に出展しているが、そこからのユーザーの誘致や、広告・媒体を使って東京都内からの集客も計画している。

同社は、JR武蔵野線・吉川美南駅近隣(埼玉県吉川市)に6カ所目の「体感すまいパーク」を2025年1月にオープンする予定で、今後も事業拡大のなかでエリアを吟味しながらも出展を続けていく考えだ。

埼玉県南西部でも知名度向上を

ポラテック木造建築事業部
橋本裕一 取締役事業部長

待ち望んだ埼玉県南西部への出展であり、このエリアに移り住みたいと考える方が、まず最初に足を向けていただける場、住宅を検討いただける場にしたい。

「ポラスの注文住宅」、このフレーズをしっかりと根付かせるのが私たちの使命。埼玉県南西部や千葉県北西部周辺では知名度が高いが、埼玉県南西部地区においても「ポラスの注文住宅」をしっかり根付かせて、知名度をいっそう上げていく。

知名度を上げるためには大きな支店をつくることが大事。現在、新座市の埼玉西部事業支店は賃貸で入居しており、良い土地があればすぐに購入し、大々的に看板を上げたいと考えている。

ポラスグループの注文住宅3ブランド4棟を展示 都市型からペット共生まで

「体感すまいパーク朝霞」は、ポラテックの「PO HAUS」と「北辰工務店」、グローバルホームの「HaScasa」という3ブランド・4商品が並ぶ。いずれも30坪台とリアルサイズで、実生活がイメージしやすいモデルとなっている。

また、センターハウスも同グループの技術が存分に生かされたものだ。3階建て、延床面積460㎡と、これまでの「体感すまいパーク」のなかでも最大の広さを持つ。

一般的な軸組と金物による在来工法で、住宅サイズのプレカット材を使用し低コスト、短工期を実現した。建物の約半分がガラス張りであり、すべての商談室からすべてのモデルハウスを眺めることができる。オリジナルのスチールのブレースを併用することで大断面の開口を実現した。

PO HAUS ARZILL(アルジール)
開放性や快適性を兼ね備える都市型住宅

3層吹き抜けで実質5 層の空間を持つPO HAUS の「ARZILL」

「PO HAUS」ブランドの1棟が「二つのヴォイドで繋がる都市型住宅」をコンセプトとする3階建て住宅の「ARZILL(アルジール)」だ。都市部でも開放性や快適性をあきらめることなく、家族のほどよい距離感を実現した。

大きな特徴がスキップフロアによる実質5層の空間。中庭空間を一体で構築した3層吹き抜け(ヴォイド)を内外に2つ配置し、3層をまたぐスキップフロアと組み合わせて1~3階をつなげ、どこにいても家族の気配を感じられる。

複雑な断面構造を支えるのが、同社の3次元の構造解析ソフト「ウッドイノベーターネクスト」で、時刻歴応答解析と同等の倒壊シミュレーションを熊本地震の前震と本震の2回の地震波で行い構造の安全性を担保。今回、新開発の「ダブルモノコック構造」を標準採用し、大空間と快適性、安全性を実現した。面材耐力壁の周りに鋼靭性のモルタルを重ね、外装材でもう一重のモノコック構造を付加し、従来のオリジナル筋交いの耐力壁よりも変形量を抑えた。

PO HAUS 和美庵
4×4の令和最小限住宅

東京ゼロエミ住宅の水準3をクリアする「和美庵」

もう一棟の「PO HAUS」ブランドの住宅が、「和」をテーマとする「和美庵」だ。「造りすぎない家」をコンセプトに、日本家屋のオーソドックスな間取りをベースにデザイン。8畳4つを田の字型に組み合わせたシンプルな形で、今後起こり得る家族構成の変化などに柔軟に対応する。

玄関の土間から続く通り土間には、要望が強いシューズインクローク、コート掛け、家事スペース、パントリーを集約させ時短やタイムパフォーマンスを向上させている。

構造はダブルモノコック構造を採用し、耐震等級3を確保。省エネ性は東京ゼロエミ住宅の水準3(北海道相当の断熱性)をクリアする性能に加えて、太陽光発電システムを搭載することで最大限の助成金を受けられる仕様になっている。内装仕上げは自然素材にこだわり、木だけでなく障子の紙、のれんの布、塗り壁の土など、落ち着きのある和の雰囲気を堪能できる。

北辰工務店
家事と趣味を楽しむ家

屋上リビングを提案する北辰工務店の「心」

「北辰工務店」は、グループが持つ技術力と高品質な施工力、分譲住宅を手掛けるスケールメリットを生かした、坪単価設定商品を主軸とするミドルクラス価格帯の注文住宅で、モデルは、同ブランドの主力商品である「心」だ。

コンセプトは「屋上リビングの家づくり」で、今回、新たに屋上対応を可能とした。夫婦とも仕事が忙しくて家事を楽に行いたい、趣味に使う時間ができるだけ多く欲しいという要望に応える間取り、動線計画とした。また、屋上を作ることで狭小敷地が多い都市型住宅でも空を感じることができ、趣味を楽しめる家づくりとなっている。

内部は、回遊性のある家事動線と、グループの暮し科学研究所が開発する「家事楽アイテム」を多く取り入れていることがポイント。また、通常の天井高は標準2700㎜だが、リビング天井高を2950㎜として広さを体感できる。

HaScasa
ペットとの生活を楽しむ家

ペットとの時間、空間を共有できるHaScasaの「ヒトもペットもここちいいを詰め込んだオウチ」

HaScasa(ハスカーサ)はグローバルホームが手掛ける2×4住宅、2×6住宅のブランドで、健康と環境への配慮が大きな特徴だ。モデルはペットとの共生をコンセプトとする「ヒトもペットもここちいいを詰め込んだオウチ」だ。

耐震性は耐震等級3、また、断熱性は断熱等級7(UA値0.26)を実現している。ペットとの暮らしでかかる電気代を抑えるために断熱性を高め、さらに太陽光発電3.74kW、蓄電池6.5kWを備え、自動車からの電気供給も可能とした。

一階部分にS字を描くタイルと色を備えるフラワーウォール、その上に真っ白な家形フォルムが乗る外観で、室内は大きな吹き抜けとトップライトによる明るい大空間。プランは人が住んでいて心地が良いという空間の構成と、その真ん中にペットを置くという考え方で、ペットの暮らしに配慮した内装材や回遊動線を導入。ペットとともに短い時間で色濃い時間、空間を共有できる。