平屋新商品の発売が相次ぐ

世帯あたりの人数の減少に伴い身の丈にあった住宅を求める人が増え平屋のニーズが高まっていることに対応し、住宅各社の平屋商品の発売、リニューアルが相次いでいる。

住友林業は2023年10月、注文住宅の平屋商品「GRAND LIFE（グランド ライフ）」をリニューアルした。オリジナルのBF（ビッグフレーム）構法の高い耐震・断熱性能を生かした最大7・1mの大開口、平屋の特性を生かした高天井など同社ならではの強みを持つ注文住宅で、樹種やカラーに合った23パターンのインテリアスタイルを揃え1邸ごとにトータルコーディネートすることができる。2023年1月～6月の同社の契約者における平屋比率は42％、2018年以降5年連続で増加。各世代のニーズに幅広く対応できる平屋を目指して今回GRAND LIFEをリニューアルした。住宅と庭の一体設計や効率的な家事動線など人気のある項目の改良に加え、ファミリー層へ屋根裏空間の有効活用なども新たに提案する。年間3000棟の受注を目指す。

積水化学工業 住宅カンパニーは、木質系住宅の新商品「グランツーユー 平屋 つながる暮らし」を2023年10月に発売した。2022年度の同社の平屋受注棟数は新型コロナ流行前の2019年度比150％と大きく伸長。こうした背景を踏まえ、これまで培ってきたスマート技術による先進の暮らしに、さらに大屋根による深い庇を活用した空間提案を可能にする屋根ユニットを新たに開発。環境性と経済性を確保するとともに木質系住宅ならではの高い断熱性能や耐震性を付与した。ワンフロア空間で「家族」とのつながりを感じる暮らし、うちとそとがつながる軒下空間で「自然」を感じる心地よい暮らしを提案する。

ケイアイスター不動産のグループ会社、ケイアイネットクラウドはローコスト平屋注文住宅のフランチャイズ事業「IKI・net」（イキドットネット）を2023年10月に開始した。同社は「規格型平屋注文住宅「IKI（イキ）」を3年前から販売する。6帖のブロックを組み合わせるだけで各部屋を構成するシンプルな工法を採用、無人内覧できるモデルハウスを展開するなど経費を徹底的に削減し、建物本体が17坪（約57.9㎡）で816万円〜（税込）という価格帯を実現する。同社は、不動産仲介業のフランチャイズ事業「KEIAI FC（ケイアイエフシー）」をすでに展開している。今回これに加える形で、主に工務店機能を持つ企業を対象とする「IKI・net」を本格始動した。IKIで培った次世代の注文住宅事業経営手法を基にDXサポート・IKIブランド使用権の提供・マーケティング・送客・部資材提供・建築サポートなど総合的にバックアップする。まずは100社の加盟店獲得を目指す。