[ニチハ]窯業・金属で、“素材感”にこだわった新デザインを開発

シンプルな外観に映える外装デザインを追求

ニチハは、“素材感”をテーマにした新しいデザインの提案に力を入れる。窯業系は、今年度から「+D(プラスディー)」というコンセプトでの挑戦をスタート、金属系は錆の質感を加飾した新商品や人気柄のラインアップ強化に努める。

ニチハは、窯業系サイディング、金属サイディングの両方を展開するが、両サイディングについて、市場の変化やニーズの多様化に対し、独自性、素材感を強く打ち出す商品戦略を展開する。

窯業系サイディングについては、戸建住宅着工数が前年度比で減少するなかでも、同社のシェアは微増と健闘している。

昨今の住宅トレンドのひとつが、建物をシンプルに仕上げ、ファサードで魅せる外観提案だ。同社は、特に“素材感”にこだわりを持ち、シンプルな外観に映えるような外装デザインを追求する。今年度より新たなデザインコンセプトのブランドとして「+D(プラスディー)」を立ち上げ、商品展開を開始している。

3月に第一弾としてオペリアシリーズに追加した「バウンティウッド」は、「サクラ」や「ハワイアンコア」、「チーク」といった高級家具や楽器などに使用される樹種を再現。高価な樹種をコストを抑えて洗練された雰囲気で表せる点が強みだ。また、内装材に使われることの多い樹種のため、内装との一体感を持たせたい層からも人気があるという。さらに、特徴のあるデザインとして、木材の経年変化による炭化や銀化を再現した「ローストシダー」や「エイジングシダー」をラインアップ。新築であっても周りの街並みに溶け込むデザインが欲しいとの声を受けて開発を進めた。第二弾としてFu-geシリーズに追加した「バークリー」は意外性のある樹皮の質感をテーマに、窯業系サイディングだから表現できる縦横ランダムな組み合わせのデザインを実現した。第三弾として7月末にNOHASシリーズにラインアップした「ウッドグローブ」は、風化した木端の表層をタイル調にレイアウトしている。「+D」はショールーム展示でも評価が高く、今後も商品を拡大していく予定だ。

「+D」第2弾商品のバークリー。針葉樹の古木を縦横ランダムに組み合わせた木目柄の新たなデザインが魅力
7月に発売した「メタリアル M型 スマートフラット 侘寂(WABISABI)」。錆の風合いをモチーフにして、加飾により赤錆や黒錆等を表現

金属系は、商品バリエーションの豊富さで訴求

一方、21年下期からの原材料の価格高騰や供給不安など課題解決が急務だったのが金属サイディングだ。

そうしたなか、同社は販売拡大のために、独自性の高いデザインやカラーラインアップの充実を図り、バリエーションが豊富で選択の幅を広げる商品展開を図った。

例えば、7月発売の「メタリアル M型 スマートフラット 侘寂(WABISABI)」は、他社にないデザインを実現した商品で、加飾により赤錆や黒錆を再現し金属独特の風合いを最大限に引き立てる。

また、「金属においては価格高騰を免れないなかで、訴求力の強いフッ素鋼板商品とスタンダード商品との2段構えで訴求していく」(金属外装営業部・森優司部長)と、幅広いニーズに応えるため、昨年から今年にかけて定番商品の「ネオスパン」、「スマートフラット」のラインアップ強化を図った。22年10月に光触媒でコーティングした「メタルガード光」で高機能な商品を拡充し、同時期には、フッ素塗装鋼板の供給不安への対応策としてポリエステル塗装鋼板仕様の「ネオスパンPH」、「スマートフラットPH」を追加した。23年は人気スパン柄に高耐候・フッ素鋼板仕様のローコスト品「シン・ネオスパンFU」とフラット柄でポリエステル鋼板仕様のローコスト品「シン・スマートフラットPU」を発売した。

販売については、デジタルツールも積極的に利用し、販路拡大に努める。外壁材メーカーで同社のみが行っているというARシミュレーションは、ショールームから遠い場所の顧客が実際のイメージを掴むことに役立っているという。

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