ノーリツ、社会課題の解決を商品戦略テーマに設定
第一弾商品として衛生や睡眠に社会配慮する給湯器を発売
ノーリツは新たな商品戦略テーマ「NORITZ For 2030」を設定、社会課題の解決を付加価値として提案する姿勢を打ち出した。戦略商品の第一弾として、衛生や睡眠などのニーズに応える給湯器を発売した。
新たな商品戦略テーマ「NORITZ For 2030」を宣言、戦略商品として「ガスふろ給湯器GT-C72シリーズ」と、同シリーズに対応する無線LAN対応高機能リモコン「RC-K001Wシリーズ」を発売した。
同社では「今必要なのは、“単に便利なもの”ではなく、生活の悩みや社会の課題を解決する、社会的価値を持った付加価値商品」とし、日本の未来に起こりうる課題を、企業として解決すべき社会課題と設定した。具体的には①衛生ニーズへの対応、②超高齢社会への対応、③睡眠不足、④調理の悩み、⑤男性の調理初心者、という5つだ。
今回、このうち①~③の課題解決に向けて温水分野の新商品として発売したのが「GT-C72シリーズ」と「RC-K001Wシリーズ」である。「GT-C72シリーズ」は、業界初の「AQUA OZONE(アクアオゾン)」と「HIITO(ヒート)」という2つの技術を搭載する。
アクアオゾンは、工学院大学との共同研究によって開発した水道水を電気分解しオゾン水を生成する技術オゾン水除菌ユニットと、LED-UV除菌ユニットによるW除菌のシステム。従来の「浴槽水の除菌」をさらに進化させ、「ふろ配管の除菌」と「排水管のキレイ」を実現した。風呂の残り湯を抜くと、オゾン水除菌ユニットが生成した除菌水が自動で流れ、ふろ配管と排水口を除菌する。見えないふろ配管を99%除菌し、排水口に溜っている水の臭いも抑制する。また、退浴を検知すると浴槽の循環アダプターが残り湯を吸い込み、給湯器内のLED-UV除菌ユニットでUV照射して除菌、二人目以降も気持ちよく入浴することができる。
ヒートは、神戸大学・九州大学との共同研究によって実現した人体熱モデルで、入浴中の深部体温の変化を精度よく推測する技術。浴室の温度や湯温を踏まえ、目的に応じた適切な入浴時間を算出することが可能になった。GT-C72シリーズでは、従来の見守り機能に加え、新たに長湯による“のぼせ”対策をサポートする「ホッと湯上りモード」と、就寝予定時刻に合わせておすすめの入浴開始時間や入浴時間の目安を知らせる「あったか睡眠サポートモード」を搭載した。
Vプラン23の達成に向け
付加価値提案を加速
ノーリツは2021~2023年の中期経営計画「Vプラン23」を推進中。2022年は、調達費増など厳しい環境下にも関わらず生産台数過去最高を記録、国内事業の売上高は1414億円と計画比+164億円、営業利益33億円、同+13億円と好調な決算となった。2023年も「エネルギーや素材価格の高騰は続くとみているが、Vプランが着実に成果につながっており、大幅な増収増益を計画」(腹巻知社長)と、計画の売上高1510億円、営業利益40億円を目指す。
この目標達成に向けての重要なカギの一つが高付加価値提案であり、ハイブリッド給湯器、エコジョーズ、そして除菌の拡販だ。今回の新商品は、2030年、そしてその先を見据えた新たな展開の第一歩となる。
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