2023.5.22

大京、新ブランド「THE LIONS」へリブランディング

顧客層をパワーカップルへと絞り、一歩先の暮らしの実現を目指す

大京はマンションブランド「ライオンズマンション」を「THE LIONS」へリブランディングした。ユーザーの変化、事業環境の変化に対応するもので、パワーカップルに軸足を置き、新たな価値創造に取り組む。

一歩先の暮らしの実現を目指し「THE LIONS」へリブランディング( 右: 深谷敏成社長、左: 外山裕事業管理部長)

大京は、1968年の第一号マンションの分譲開始以降、ファミリー層向けを中心に、国内最多の累計38万1551戸のマンションを供給してきた。「ライオンズマンション」は長い歴史のなかで高い認知度を誇るが、家族の形態、ユーザーの価値観、事業環境などさまざまな変化のなかで「マンションをつくる会社から、次の価値をつくる会社」を目指し、リブランディングを行った。

マンション市場は大きく変化している。首都圏のマンション市場は大きく縮小、2005年の年間8万5000戸から、2022年は約3万戸程度となっている。また、その顧客層はマンション価格の上昇によりかつての世帯年収600万~800万円程度のファミリー層中心から1200万円以上のパワーカップルへと大きく変わっている。こうしたなかで「他社がブランド評価を上げるなか、相対的にライオンズマンションはポジションを落とす結果」(外山裕 事業管理部長)となっており、競争力強化が求められていた。

同社は2年前から事業改革を進め、高額物件の企画・販売など好循環サイクルの基盤が整いつつあり「この好機を逃さないためにもリブランディングを図り、新たな目標を共有すべき」とリブランディングの検討を進めてきた。

議論を進めるなかでまとめたブランドビジョンの要素は、基本性能の高さにとどまらずユーザーの感性に響くブランド、モノの豊かさだけではなく都市に暮らしながら自然や緑の癒しを感じられるような心の豊かさまでも叶えるブランド、ハード中心のよい住まいの提供からソフトまで含めたよい暮らしを提供するブランド、住まいを中心とするバリューチェーンを構築しずっと価値が続くブランド、供給実績が一番ある会社ではなく一歩先の挑戦が一番ある会社へとこれからのスタンダードを創造する、という5つ。
そして大京が目指すべき方向として打ち出したのが「NEXT ONE」だ。「これまでの強みをなくすのではなく維持したまま、これから一歩先の暮らしの実現を目指すブランドへと変わっていく」という新たな姿を実現するために定めたブランドビジョンであり、「マンションをつくる会社から、次の価値をつくる会社を目指して進化したい」という思いが込められている。

そして新たな事業ブランドとして設定されたのが「THE LIONS」。これまでライオンズマンションブランドの最上位であった「THE LIONS」を商品の中心帯とし、すべての商品をパワーカップルに向けて打ち出す。この「THE LIONS」をベースに、コンパクトシリーズを「THE LIONS MYLES」、賃貸シリーズを「THE LIONS FORSIA」と改めて展開を進める。商品においては、共通のデザイントーンとして「モダンラグジュアリー」を設定、パワーカップルのニーズに応えるため、共通の価値観として洗練、上質、憧れ、清楚を軸に顧客像を設定した。

また、リブランディングにあわせ、全社員参加のプロジェクト「DAIKYO NEXT ONE PROJECT」を始動した。同プロジェクトを通じて、新たな価値創造のためのインプット、アウトプットなどに取り組み、新ブランドの構築と浸透を図っていく。