高性能住宅の換気ニーズに総合的に対応 熱交換形換気にダクトレスタイプを新たに追加
高断熱高気密時代の換気システム
パナソニック 空質空調社では、高性能住宅の換気ニーズに総合的に対応するために、様々なタイプの換気システムを取り揃えている。
断熱・気密性能を高めていくと、結露やカビの発生リスクが高まるという問題がある。そこで重要になるのが適切な換気。常時換気を行うことで、結露やカビの発生を大幅に抑制できる。一方で、24時間換気を行うとなると、エネルギー負荷が高まってしまう恐れがある。また、せっかく空調した室内の空気と外気が入れ替わることで、エネルギー効率が低下してしまうこともある。つまり、適切な換気と省エネ化はトレードオフの関係になることがあるのだ。
こうした問題を解決するためにパナソニック 空質空調社が提案するのが、ダクト式第1種熱交換形換気システム「IAQ熱交気調システム」だ。天井裏や床下に設置した熱交換気ユニットとダクトを通じて、家全体の24時間換気を行うもので、熱交換機ユニットが排気時の熱を回収し、給気時に室内に戻す。熱回収により空調負荷を軽減し、冷暖房コストを抑える。
さらに室内外の温度・湿度をセンサーで感知し、給排気量などを自動調整する「IAQ制御」を搭載、季節に応じて快適運転を行う。これによりエネルギー効率を維持しながら、快適な温湿度環境と空気質環境を両立する。
また、さらにエネルギー負荷を少なくできるDCモーターを採用しており、この点も高い評価を得ている。
断熱等性能等級の上位等級の創設などを契機として、熱交換形換気への切り替え意向が高まっており、同社でも「目に見える形で問い合わせの数などが増えている」(マーケティング本部 市場開発部 住宅市場開発課・林義秀課長)という。
静かさに徹底的にこだわった
ダクトレスタイプの熱交換形換気
同社では、熱交換形第1種換気のさらなる普及に向けて、2023年4月にダクトレスタイプの壁掛け熱交換気システム「IAQ-V(アイエーキュ―ブ)」も市場投入した。
それぞれの部屋の壁に設置していくタイプの換気システムで、階間が狭いといった理由で天井裏にダクトを通すことができない住宅でも採用できる。同社のダクトレスタイプは施工も容易で、「パイプファン」と同じような感覚で施工が行えるという。そのため、第3種換気から熱交換形第1種換気への仕様変更も簡単に行える。
さらに、時間差で給気と排気を行うタイプと異なり、給気と排気を同時に行う熱交換形であるため、一次エネルギー消費量などを計算する上でも有利に働く。
「IAQ-V」の開発に当たっては、「徹底的に静かさにこだわった」(林課長)という。ダクトレスタイプの場合、各部屋の壁に換気システムを設置するので、「機器の運転音がうるさい」といったクレームにつながり、結果として、運転をストップさせてしまい、結露などの原因を引き起こすこともある。
こうした問題を解決するために同社では、機器の構造やパイプの大きさなどから見直し、強運転でもホテルの室内以下の静かさ(FY-30KWの強運転で27㏈)を実現している。
このダクトレスタイプを商品バリエーションに加えたことで、住宅事業者や施主のニーズに応じて、最適な熱交換形第1種換気を提案できる体制が整った。
さらに同社では、全館空調熱交換気システム「ウイズエアー」も提案しており、LCCM住宅などのより先進的な高性能住宅を供給する住宅事業者への提案も進めている。
省エネで、快適かつ健康的な室内空間の創造に向けて、パナソニック 空質空調社はより幅広い換気ニーズへ対応していく方針だ。
パナソニック空質空調社
https://sumai.panasonic.jp/air/kanki/kabekakefan/
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