nat、3D計測アプリに新機能を追加
撮影するだけで瞬時に3D間取り図を作成
3D計測アプリ「Scanat」に新機能を追加した。動画撮影するだけで3D間取り図を作成するもので、不動産仲介や店舗・飲食店など空間を大枠で捉えたい時などに便利な機能だ。
nat(東京都港区、劉栄駿社長)が3D計測アプリ「Scanat」に間取りスキャン機能をプラスしたアップデート版をリリースした。
Scanatは、昨年1月にリリースしたiPhone・iPadのLiDARセンサーを活用したAI測量アプリ。ビデオを撮影するように対象をスキャンすることで3Dモデルと写真データを保存することができ、簡単に測量することが可能で、現地調査から設計、施工管理まで幅広く活用できる。
具体的には、iPhoneもしくはiPadで測定したい空間をビデオ撮影するだけで、写真撮影されると同時に3Dモデルが生成される。居室内の撮影で家具・インテリアなどもデータ化され、建物の外部空間などもデータ化が可能だ。
3Dモデル上で2点をタップすると2点間の距離を測定することができ、4点をタップすると面積が自動で算出できる。例えば、リフォームの現場では現地調査が非常に重要だが、その手間を大幅に簡略化することができる。また、面積の算出は防水シートなどの必要枚数を換算するのに便利で、すぐに見積もりすることが可能だ。これらの情報は複数IDの取得でアプリさえインストールしてあれば事業者内、またはユーザーとも情報共有できる。
これまで170社ほど導入されている。同社では主に内装を中心としたリフォームを想定してサービスを開始したが、住宅事業者や外装などの事業者の採用も目立つという。
住宅の情報がスマホ一台に
“住のプラットフォーム”を目指す
このScanatに新たに加わったのが「間取りスキャンモード」だ(新機能の追加により、従来の機能は「ノーマルスキャンモード」とされた)。
アップル社の「RoomPlan」APIを使用した新機能で、部屋や会議室などの空間をビデオ撮影するだけで、床、壁、テーブルなどの対象物を読み取り、瞬時に3D間取り図を作成する。ノーマルスキャンモードと同様に、同時に撮影した写真を貼り付けることで、3D間取り図データだけではなく3Dモデルへ処理を行うことも可能だ。
現場をリアルに再現したい時にノーマルスキャンモードを使用するのに対し、間取りスキャンモードはより短時間で簡単に空間を大枠で捉えたい時に適している。例えば、飲食店や店舗で全体の空間のなかで客席を何席設けるかといった検討段階で使いやすいモードだ。
ScanatはIDの数で料金設定しており、新たに追加した間取りスキャン機能は、これまでの料金プランと変更なく利用できる。
「ゆくゆくは自宅の情報がすべてスマホに入っているような“住のプラットフォーム”を目指す」(マーケティング部・若狭僚介部長)と目標を掲げている。
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